GS問題全容解明は難しそう
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2018/08/21-28号
2018/08/13更新

GS問題全容解明は難しそう

 ゴルフスタジアム(以下、GS社)という会社にHPの作成・運営管理を委託していた多くのレッスンプロが、多額の債務を負って苦境に立たされている問題で、GS社の破産手続きに伴う、第3回目の債権者集会が8月1日に東京地裁で開催された。

 ゴルフ練習場やショップ、レッスンプロなどのユーザー向けに、HPを作成・運営管理するサービスなのに、その代金はなぜかゴルフスウィングの分析ソフトの代金名目で、リースやクレジットで支払わされているという、かなり難解なもの。さらにややこしいことに、そのHPに掲載する広告をGS社が獲得するサービスもセットになっており、GS社が払う広告料でリース料を支払えるから、ユーザーの負担は実質ゼロ、という触れ込みだった。ところが、その広告料の入金が昨年2月下旬以降止まり、レッスンプロらは多額のリースやクレジットの負債を抱え込む羽目になった。

 事件発覚1カ月後の昨年4月、預託金問題の第一人者である西村國彦弁護士が被害者団体を立ち上げた。それから2カ月後の昨年6月には、リースの債権者である信販会社7社に対し、責任の一端は信販会社にもあるとして、債務が存在しないことを確認する訴訟を起こす一方、GS社に対しては破産手続きの開始申し立てを行った。

 レッスンプロらは広告料を払ってもらえていない債権者なので、債権者側から裁判所にGS社の財産分配手続きを求めることで、資金回収と全容解明をする目的だった。

 今回開催されたのは、その破産手続きの3回目の集会だったのだが、残念ながらレッスンプロらから集めた多額の資金の行方の解明は進んでいない。破産管財人の仕事はあくまで債権者に分配できる財産の収集なので、資金の流出先が倒産しているなど、回収が見込める可能性が低いと、それ以上調べない。管財人側も手続きが長引くと、自分が破産財源から受け取る管財人報酬が増えてしまうので、良心ある管財人ほど短期間での決着を志向する。

 レッスンプロらの経済的救済は信販会社が債務の不存在を認めれば実現するが、全容解明はされないまま終わる可能性が高いと言えそうだ。

  
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