ヤマハのRMXドライバーは、ヘッドとシャフトを個別に選んで購入できるのが大きな特長だ。これは他メーカーとは一線を画するコンセプトで、自分にとって最適なヘッドとシャフトの組み合わせを選ぶことによって、ゴルファーが最大限の飛距離を得ることができるようになっている。
とはいっても、ヘッドとシャフトの組み合わせは数多くある。そのなかから自分にもっとも合うヘッドとシャフトのマッチングを探し出すための方法は?また、自分に最適なヘッドとシャフトなら、いったいどれくらいの進化を遂げられるのか?
今回、クラブ性能に造詣が深い“CLUBER”こと高梨祥明さんをナビゲーターに迎えて、3人のアマチュアゴルファーに【マイ・ベスト・リミックス】となる1本を探し出してもらい、飛距離を計測した。
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ゴルフ専門誌のギア担当編集者として、長くゴルフクラブ、ボールについての取材活動を行い、2013年に独立。現在は執筆活動のほかマイブランド《CLUBER BASE》を立ち上げ、ゴルフ関連グッズの企画、販売も行っている。
● 販売サイト
「バッグドロップモール」
http://www.bagdrop-mall.com -
ゴルフ歴:26年
年齢:50歳
平均スコア:83
ドライバーの平均飛距離:230ヤード
使用中のドライバーのスペック:ロフト10.5度、フレックスS(メーカー純正シャフト) -
ゴルフ歴:5年
年齢:42歳
平均スコア:95
ドライバーの平均飛距離:220ヤード
使用中のドライバーのスペック:ロフト10.5度、フレックスSR(メーカー純正シャフト) -
ゴルフ歴:10年
年齢:45歳
平均スコア:84
ドライバーの平均飛距離:250ヤード
使用中のドライバーのスペック:ロフト10.5度、フレックスS(メーカー純正シャフト)
- 高梨今日はフィッティングをして、皆さんの理想のドライバー1本を見つけていこう、ということなのですが、私はクラブフィッターではありませんので、ヘッドとシャフトを選ぶときのコツのようなものをお知らせできればと思っています。ところで皆さんは、ドライバーを購入するときに、どうやって選んでいますか?
- 木暮私は、評判が良さそうな売れ筋のクラブを2〜3本を試打して購入するモデルやスペックを決めていますね
- 塩見私の場合は、知り合いからのクチコミです。知人や友人に勧められたものをこれまで購入してきました
- 大塚僕も同じです。世間で評判のいいモデルを購入してきましたね。それほど上手ではないので、ショップで試打するのが何だか恥ずかしくて(笑)
- 高梨ショップのスタッフは慣れていますから、大丈夫ですよ(笑)。自分に合ったクラブで最大限に飛ばしたいなら、絶対に購入する前に打っておくべきです。それと大切なのは、自分が打ってどんな球が出ても気にしないことです。私は仕事柄、いろんなクラブを試打していますが、そのときには、どのように打てば性能が発揮されるクラブなのかを探りながら打っています。でも、それはあくまでも仕事だからです。皆さんは、そんなことをする必要はありません。うまく打とうとする意識も必要ありません
- 木暮うまく打つ必要がないって、どういうことでしょうか?
- 塩見新しいクラブを手にすると、普通はそのクラブでうまく打とうとしますが
- 高梨それは、クラブの性能に自分のスイングを合わせようとしていますよね。そうではなくて、自分のスイングに合ったクラブを探し出すのが目的です
- 大塚どうすれば、自分に合うヘッドやシャフトが分かるのでしょうか? 試打して自分で見つけ出すのが難しい気がします。自分のスイングもそれほど安定していませんし
- 高梨普段どおりに打てばいいだけですよ。3球打ってみてダメなら、まずはヘッドを変えてみましょう。決して自分の打ち方が悪いと思って、スイングを変えないようにしてください。ヤマハのRMXドライバーにはヘッドが3種類あって、それぞれ性能が異なっています。シャフトも複数用意されているので、組み合わせ次第でどんなスイングのゴルファーでも自分に合ったモデルやスペックを見つけられます。そもそも、そういうコンセプトで作られているクラブですから
- 塩見他メーカーにも調整機能を搭載したクラブがありますよね。それとはどう違うんでしょうか?
- 高梨ヘッド着脱式のドライバーは今やスタンダードですが、たいていは買ってから、あれやこれや自分に合わせる調整が必要になってきます。実際には、うまく調整しきれていないゴルファーも多いですが……。その点、RMXドライバーは、レディメイドのクラブとは違います。購入前にフィッティングをして最適な組み合わせを選んでおけば、購入後は何も変えずにプレーをするだけです。ヘッドとシャフトを個別に購入できるので、組み合わせの選択肢が多いのもメリットですね
- 大塚後からヘッド単体や、シャフト単体で買い足すこともできるんですよね
- 高梨それも魅力のひとつですね。例えば、冬場用に柔らかめのシャフトを用意しておくとか、風が強い日のラウンド用にロフトが小さいヘッドを用意しておくなど、コンディションに合わせて、自分で自由に組み合わせることができます
- 塩見具体的には、どんな組み合わせから打ち始めるといいでしょうか?
- 高梨ヘッドは、3モデルのうちでもっともニュートラルな『RMX 01』のロフト10.5度、シャフトはメーカー純正のフレックスSRで試打を始めるのがいいと思います。重視すべきなのは、それらの組み合わせで自分が打ったときに得られる球筋です。ヘッド性能の知識や、個人のヘッドスピードなどは関係ありません。フィッティングは、ヘッドのモデルやロフトを替えながら、自分が理想とする弾道に近づけていく工程になりますね
- 木暮なんだか楽しそうですよね(笑)
- 高梨そう、こういうクラブ選びができると楽しいんですよ(笑)。では、みんなで楽しみながら、自分に合うヘッドとシャフトを探し出していきましょう
※現在使用しているドライバーと数値を比較
いろいろ試打してみると、この組み合わせがもっとも安定して飛ばせました。ヘッドの見た目の好みはRMX ツアーモデルだったのですが、打ってみると弾道が低すぎて……。RMX 02のヘッドなら球がほどよくつかまってくれて、持ち球のドローが打ちやすく、ロフトを9.5度にすると高弾道で低スピンの球を打つことができます。自分が今使っているドライバーよりも、アゲインストの風に強そうな球筋です。この組み合わせなら、どんな状況でも自信をもって打っていけますね。
木暮さんは、RMX 01のヘッドだと右にミスする傾向があって、スピン量も多すぎるようでした。球のつかまりがいいRMX 02のほうが、持ち球のドローをストレスなく打つことができて、ドロー系の球筋になったことでスピン量を減らすこともできました。ロフト9.5でスリーブのポジションをHIGH(+1°)に調整すると、高弾道の低スピンで飛ばせていました。
※現在使用しているドライバーと数値を比較
RMX 02のヘッドは、球のつかまりが良くて右へのミスが出ません!それにロフトが9.5度でも、RMX 01の10.5度と同じぐらいにボールが高く上がってくれました。スピンも多すぎず、安定して飛ばすことができます。シャフトは、純正で用意されているSRがタイミングを取りやすかったです。曲がりが少ないヘッドですし、これから暖かくなってくると、もっと振っていけそうな気がします。そうなったらフレックスSのシャフトだけを買い足して使いたいですね。
塩見さんは、RMX 02のヘッドを使うことで格段に球筋が安定しましたね。RMX 02はヘッドの重心位置がRMX 01よりも深く、球をつかまえやすくて上げやすいのが特長です。塩見さんのように、RMX 01では10.5度が良くても、RMX 02では9.5度で適正弾道が得られることもあります。フィッティングの際には、とにかくいろんなスペックを打ってみることをオススメします。
※現在使用しているドライバーと数値を比較
自分のドライバーよりも、この組み合わせで20ヤードも飛ぶようになりました! 最初にRMX 01のロフト10.5度を試したのですが、上がりすぎてあまり飛んでいませんでした。9.5度に替えてみたら、強い球で前へと飛ぶようになりました。シャフトは純正だと柔らかすぎたようで、カスタムシャフトのSを試してみたら安定感が増しました。この結果には本当に驚きです。
大塚さんは、もともと弾道が高すぎるタイプ。イメージだけでRMX 01は難しいヘッドだと思っていたようですが、実際に打ってみてもらうと、大塚さんが望んでいる強い球を打てるようになりました。強弾道を打ちやすいヘッドと球のつかまりがいいシャフトで、ボールの推進力を上ではなく、前へと変えることができました。