今回のテストに参加してくれたのは、ともに積極的に競技に出場している佐久間さんと福原さん。パワーヒッターとショットメーカーという対照的な2人だが、試合という緊張感のなかでのプレーに対しては、それぞれに難しさも感じているようだ。
「競技では、やはり距離も長くなりますし、グリーンも速くて難しいセッティングとなります。そうなると理想的なのは、ドライバーで飛ばして、なるべく短いアイアンでグリーンを狙うという形。でも、飛ばさなければと思うと、無理な力が入りますし、力が入れば入るほど、曲がってしまいます。周りの競技の先輩からよく言われるのが、1つミスをしたらボギーでいいと思え、ということ。そこで無理にパーを取りにいったら、ダブルボギーも来てしまいます。我慢をしなさいという教えなのですが、このあたりの攻め方がもう少しうまくできたら、スコアも簡単に1打、2打変わってくるんでしょうね」
「グリーンはどこも同じではなく、高低差があったり、砲台グリーンだったりと、シチュエーションはさまざまです。そうなると大事になるのが距離感。試合では距離が長いため、私はセカンドショット以降にユーティリティを持つ機会も多いのですが、距離感の出しやすさを考えると、アイアンのほうがいいとなります。でも、試合のなかでは、ロングアイアンを持ったときのような、ギアからのプレッシャーは感じたくありません。精神面で紆余曲折なく、ゆったりと18ホール回ることが出来た日は、自然と成績も良かったりします。2打目で、『大丈夫』と思えるギアならば、自分のプランで戦いやすいのかなと思っているんです」
そんな2人がまず、「inpres UD+2 アイアン」を試す場として選んだのが、千葉県のカレドニアン・ゴルフクラブ、5番ホール、パー3。グリーンの手前には池が広がり、グリーンの縦の幅も短いという難しいホールだ。この日の実測は170ヤードで、ピンは右サイド。グリーン左手前には花道があるので、左サイドに逃げることもできるが、グリーンの真ん中には段があり、簡単に3パットも喫してしまうから、安易に左に打っていくのも危険だ。しかも、この日の気温は約2~3度と寒く、左から冷たいアゲインストの風も強い。170ヤードではあるが、少なくとも190ヤードは見たほうがいい状況だ。
しかし、「いつもなら、5番アイアン」という佐久間さんが今回握ったのが、「inpres UD+2 アイアン」の7番アイアン。きれいにヒットしたボールは、軽くフェードのかかった弾道で、見事にピンを刺していき、バーディーチャンスについた。
「プラス2番手の飛びを信じて7番で行きましたが、この距離を7番って、あり得ないですよ!もちろん、距離が出るだけでなく、打感も良かったです。飛び系のアイアンだと、すごく弾いて、打感が軽いイメージなのですが、このアイアンはフェースにボールが乗っている感じもありますし、ぶ厚い当たりで打っていて気持ちが良く、弾道もコントロールしやすい印象です。5番、6番アイアンの場合、簡単にピンを狙ってということにはならないのですが、これなら思い切っていけますね」
一方の福原さんも、「7番ウッドか5番ユーティリティを選ぶところですが、6番アイアンでいってみます。いつもなら6番アイアンだと、160ヤードが精いっぱいですが……」と言って放ったボールは、持ち球のフェードでピンのやや左をしっかりと捉えた。
「ユーティリティにはユーティリティのやさしさ、信頼感があるんですが、やっぱりアイアンだとターゲットに構えやすいという安心感がありますね。ラインを出していくイメージが出ますから、ユーティリティよりも狙っていける楽しみがあります。ピンに向かう気持ちにさせてくれますね。しかも、風に負けない弾道にもかかわらず、スピンもしっかり入っていましたし、打感も思った以上にしっかりしています」
飛び系アイアンには、低重心化のためにバックフェース下部を大きく張り出させているものが多い。上の番手になるほど、アドレスしたときにこの部分が見えてきて、気になるという上級者も相当いることだろう。しかし、「inpres UD+2 アイアン」では、この部分に絶妙な角度をつけて、ミラー仕上げにしている。そのため、周りの芝が映り込んで、張り出した部分が目に入りにくいようになっている。福原さんが、「構えやすい」と言ったのには、こんな細かい心配りも影響しているのだろう。
次に、福原さんが、「inpres UD+2 アイアン」の高いパフォーマンスを実感したのが、8番ホール、パー4。ドライバーでフェアウェイ右サイドに運び、2打目は少し打ち上げの195ヤード。グリーン左サイドにはたくさんのバンカーが口を開けていて、ピンはその奥のグリーン左サイドに切られている。風は一転して、左からの強めのフォロー。
「普段は4番ユーティリティで、グリーン右サイドに外しても良しとなりますが、アイアンなら、しっかりグリーンオンを狙っていける安心感がありますね」と、6番アイアンで放った球は、左からの風にも乗って、ピンの右を捉えた。
「少しこすったけど、届きましたね。6番ってすごいですね。inpres UD+2。やっぱりプラス2番手の飛びですね!」
一方の佐久間さんは、9番ホールのセカンドショット、150ヤードを、なんとピッチングウェッジで狙っていった。グリーンは砲台で、8番ホールと同様に左手前には大きなバンカー。
2打目地点からは、ピンが、そのバンカーの上に立っているように見える。
「本来なら8番アイアンなんですが、ピッチングなので高い球でデッドにいきます」という言葉通り、ボールはしっかりとピンの面に落ち、バーディーチャンスに。
「150ヤードでピッチングは、さすがにやりすぎかなと思ったんですが、打ってみると、ちゃんとキャリーも出ていますし、スピンもかかって、落ちた後もダラーッと転がっていくことはありませんでしたね。もちろん、より下の番手で打てるという安心感も、バーディーを取れるぐらいの距離につくショットになった理由だと思います」
普段は、より上級者らしいクラブを使用している2人だが、「inpres UD+2 アイアン」のプラス2番手の飛びと、全方位的な性能の高さには、すっかり魅了されたようだ。
テスト後にあらためて話を聞くと、競技ゴルフに対する新たな展望も見えてきている様子だった。
「まず、見た目と番手の安心感ですよね。たとえば5番アイアンで打たなければいけないところを、7番で打てるというのは、すごいです。
7番となれば、長さも短くなりますし、曲がりも少なくなって計算がしやすい。思い切ってピンを狙っていけます。入るような距離のバーディーパットも増えるんじゃないでしょうか。また、最初に言ったように、たとえばドライバーでミスをしたときには、取り返しにいってはいけないのですが、このアイアンなら取り返しにいってもいいのではないかと思えます。しかも、無理に取り返しにいく気持ちもなく、普通に打つだけで挽回できるクラブなのではないかと。
そのおかげで、ドライバーを無理に振りにいくこともなくなって、ミスも減るでしょうから、相乗効果でどんどん、いいショットが打てそうです。間違いなく、1ラウンドで2打、3打は縮まるような気がしますね」
「普段、ユーティリティで打つところをアイアンで構えられるというのは、スクエアに構えられて、狙いがピシッとするから、いいですね。集中力が高まります。
ユーティリティでは、コントロールするという意味においては難しくなりますが、そこを2番手下のアイアンで打てるとなると、ギアからのプレッシャーがなくなりますからね。そこはすごく、試合という厳しいシチュエーションでもプラスになるんじゃないでしょうか。
また、ピンをデッドに狙えるかどうかは、やはり球の高さとスピン量ということになりますが、その部分も申し分ありませんでした。競技でも充分使えるモデルだと思いましたね」
番手 | #5 | #6 | #7 | #8 | #9 | PW | AW | AS | SW | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ロフト角(°) | 22 | 24 | 26 | 29 | 33 | 38 | 43 | 49 | 55 | |
ライ角(°) | 60.75 | 61 | 61.25 | 61.5 | 61.75 | 62.25 | 62.75 | 62.75 | 63.25 | |
構造 | SAE8655 新L UNITフェース、S45C鍛造ボディ | SAE8655フェース、S45C鍛造ボディ | S20C軟鉄フェース、S20C鍛造ボディ |
N.S.PRO ZELOS 7(R) |
シャフト 重量(g) |
74 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シャフト 調子 |
先 | |||||||||
クラブ長さ (インチ) |
38.75 | 38.25 | 37.75 | 37.25 | 36.75 | 36.25 | 35.75 | 35.75 | 35.5 | |
バランス* | D0 | D1 | D2 | D3 | ||||||
クラブ 重量(g)* |
368 | 374 | 380 | 386 | 393 | 403 | 411 | 413 | 417 | |
グリップ | オリジナルラバーJ200 ロゴうら45g<Y14GJ45M58>(M58相当・BLあり) | |||||||||
価格 | 4本セット(#7~PW)¥96,000+税 オプション:#5、#6、AW、AS、SW ¥24,000+税/本 |
オリジナル カーボン MX-517i (SR/R) |
シャフト 重量(g) |
51.5/50.5 | 52/51 | 53/52 | 53.5/52.5 | 56/55 | 58/56.5 | 58.5/57 | 58.5/57 | 58.5/57 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シャフト トルク(°) |
4.1/4.2 | 4/4.1 | 3.9/4 | 3.8/3.9 | 3.7/3.8 | 3.4/3.5 | 3.3/3.4 | 3.3/3.4 | 3.3/3.4 | |
シャフト 調子 |
中 | |||||||||
クラブ長さ (インチ) |
39 | 38.5 | 38 | 37.5 | 37 | 36.5 | 36 | 36 | 35.75 | |
バランス* | C9 | D0 | D1 | D2 | ||||||
クラブ 重量(g)* |
345/344 | 351/350 | 358/357 | 365/364 | 373/372 | 382/381 | 391/390 | 393/392 | 399/398 | |
グリップ | オリジナルラバーJ200 ロゴうら45g<Y14GJ45>(M60相当・BLあり) | |||||||||
価格 | 4本セット(#7~PW)¥96,000+税 オプション:#5、#6、AW、AS、SW ¥24,000+税/本 |
※表示の数値は設計値のため、変更の可能性があります。※表示の数値と個々の商品には若干の誤差がある場合があります。◎ヘッドスピードとフレックスの目安は右記です。オリジナルカーボンMX-517i・・・SR:38~44m/s、R:34~40m/s◎N.S.PRO ZELOS 7のスペック値はメーカーの公表値です。◎N.S.PRO ZELOS 7シャフトはドライバーにおけるヘッドスピードが45m/sを超える方は、ご使用をお控えください。◎全番手ニッケルクロムメッキ仕上げです。◎ロフト角、ライ角の調整は0.5°刻みで±1まで可能です。◎クラブ:Made in JAPAN◎2016年9月16日(金)発売