今、ゴルフ用品市場で注目されているのは、元気な女性ゴルファーたち。練習場には若い女性の姿が目立ち、全国各地に女性専用ショップやフロアがオープンしている。クラブメーカーもこの機を逃さすまいと商品開発を急いでいる。
一昨年、兵庫県芦屋市内にオープンしたのは、高級和洋菓子の本高砂屋が手がけた「ザ・ハリアス」。女性の来店が多いケーキショップの中に作られたゴルフショップだ。
「女性のゴルフ人口が増えたのに、女性が一人で気軽に入れるショップは少ない」(本高砂屋御影高杉芦屋店ザ・ハリアス店長/小達辰治氏)
本格的な工房を備えた店内には女性用クラブやウェアのほかキャディバッグのオーダーも扱っており、口コミで来店客が増え続けている。
大手百貨店ゴルフ売り場でも女性客の姿が目立ち始めた。
「そんなにきつくないスポーツとして練習場に通い始めたという若い女性が増えています。ご夫婦で高級クラブセットを揃えられる方も多い」(松坂屋名古屋本店/竹下久氏)と同店では男性客の落ち込みをカバーするほどの勢いがあるようだ。
女性ゴルファーの増加が業界の生命線を握るといってもいいくらいなのだ。
クラブメーカーでも女性客をターゲットにしたクラブ開発や販売プロモーションに積極的だ。国内シェアトップのSRIスポーツはフルモデルチェンジするハイブリッEZでさらに女性客の取り込みをねらう。
「休眠ゴルファーをいかに復活させるかがカギ。今後は団塊世代と並ぶ大きなターゲットとなる」(SRIスポーツ/馬場宏之社長)
ミズノでは、クラブを手にとらせることに重点をおいたプロモーションを行っている。
「久保樹乃プロら女子プロがスイングを見てクラブをすすめる企画が好評で、実売に結びついたので来年も企画しています。男性の1割くらいの市場は潜在していると思うので、ウェアも含めて力を入れていきたい」(ミズノ広報宣伝/西田維作氏)
一方、女性のクラブ買い替えサイクルは5年くらいといわれているが、
「この秋から来春にかけてがそのピークでは」(前出・竹下久氏)という見方もある。女性にとっていかに魅力的な商品を開発できるかが、市場の動向を左右しそうだ。
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