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武蔵カントリークラブ笹井コース(埼玉県)

武蔵カントリークラブ笹井コース

品格ある落ち着きが非日常を感じさせる

クラブハウスの建替えは、ゴルフ場にとって大事業。
将来にわたって、建造物としての役割とプレーヤーの憩いの場としての役割を
兼ね備えることが要求される。

耐震性、機能性に配慮しつつ
明るさとこだわりの工夫

 今回のクラブハウス新築は、大規模なコース改造と併行して行われたこともあり、ゴルフ場全体のイメージアップに大きく貢献していると言える。しかし、その発端は別のところにあった。

「築50年を過ぎて老朽化が進んでいましたが、きっかけは東日本大震災でした。専門家による検査を行ったところ、耐震強度に問題があることが判明したので、具体的な検討に着手しました」(取締役総支配人・金子隆保氏)

 クラブハウスはゴルフ場の顔であり、新築となれば様々な配慮が必要となるが、最優先事項が安全面であることは言うまでもない。雰囲気も寛ぎ感も、安心あってのことである。

 新築となったクラブハウスは、耐震性を備え、採光よく明るい雰囲気で、石張りと木目調のバランスが程よく、落ち着いた品格を感じさせるデザインがとなっている。

 また、1階ロビー奥に大きなコーヒーラウンジを配置したのも特徴の1つで、カウンター奥の漆喰の壁は、カリスマ左官の挟土秀平氏の手によるもの。さらに、2階にはシックな雰囲気の特別談話室もあり、随所にこだわりを感じさせる。

「内装には、木目調を基本に旧クラブハウスのイメージを継承しつつ、石張りとのコントラストを出すようにしました。また、構造的には当クラブの豊岡コースが近代的な平屋造りのため、笹井コースの特色を強調する意味もあり、山小屋風の2階建てにしました」(金子氏)

 もちろん機能面でも、耐震性だけはでなく断熱性能の高い複層ガラスの採用や、高齢のゴルファーにも使いやすいようにエレベーター、多目的トイレ、手すりを設置した。

 さらに、喫煙室を1階と2階に設けるなどの配慮もある。加えて、女性浴室には、個室シャワー、パウダールーム、および専用ラウンジを設けている。

 メンバーシップとしての格式と、使い勝手の両立を実現したクラブハウスである。

落ち着いた品格を感じさせるロビー

採光よくコースを望むレストラン。16卓

2階ラウンジ

1階の(コーヒー)ラウンジ

趣きある特別室

実用性を重視したコンペルーム。4室96人収容

女性浴室。脱衣室は、脱衣スペース、個室シャワー、パウダーコーナー、談話室に分かれている

今回、ご紹介したクラブハウスは…

武蔵カントリークラブ笹井コース(埼玉県・18H) HPはこちら

所在地
埼玉県狭山市笹井
開場
昭和34年11月
ハウス設計者
(株)山下設計
ハウス施工
大成建設(株)
延べ床面積
2646.61平方メートル
構造
鉄骨造、一部コンクリート造

「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。

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