クラブハウスはゴルフ場の顔である。
施設としての機能性は大切だが、
一方でサービスの拠点としての役割も果たす。
ゴルフ場入口が一段高いところにあるので、来場者は最初にクラブハウス全景をみることになる。外観的には大きなハウスという印象を受けるが、内部は特別広い空間というわけではない。構造的にはシンプルで、動線も分かりやすい。
特徴としては、諫早湾に面したコース側の視界が開けていること。2階レストランやコンペルームの眺望はもちろんだが、1階も表玄関を入ると対面のコース側まですっきりと見渡せる。
フロントからも駐車場側、コース側の出入り口、男女ロッカー、2階の昇降と、すべての動線を確認できる。来場者の動線だけでなく、セキュリティ面でも安心だ。
また、もう1つの特徴としては、コース側の外階段がレストランに直結していること。ハーフ休憩には外階段から、再びコースに出る時は内階段からと、動線のローテーションが出来上がっている。
「お客様がわざわざハウスに入らなくてもコースからレストランに行けるので、朝夕の受付・精算時以外はロビーがざわつくことはありません。コースに出るためにフロント前を横切るお客様とフロントスタッフが気軽に会話できる雰囲気もあります。特にメンバーとの会話は重視しています」(支配人・大屋純子氏)
浴室は男女とも同じように明るく開放的な感じだが、ロッカーは女性の方がクリーム系の色調で本数の割にスペースも広い。また、脱衣室のアメニティが少なめでもある。
「女性来場者のほとんどがメンバーなのです。そのため、化粧品などは持参されます。アメニティの利用状況をチェックして、ニーズのあるものだけに絞りました」(大屋氏)
名義書換えはあるものの、過去8年間でメンバーの減少はほとんどないという。接客サービスはもちろん、ハウス内での施設配慮も功を奏しているのかもしれない。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。