老朽化や時代の変化に対応する改修は避けられない。
しかし、伝統と格式ある雰囲気はそのままにしたい。
歴史あるゴルフ場にとって、大切なテーマである。
「開場60周年を前に耐震強化を兼ねてのリニューアルでした。外観には手をつけず、品格ある雰囲気はそのままに、利用するメンバーの声を大切にしながらの改修です」(支配人・若林梅夫氏)
今回のリニューアルの大きな目玉は、レストランの移動。フロントから近いラウンジ横(現コンペルーム)にあったものをロッジへの途中に移した。といっても、そこは開場時にあった元々の場所。開場後、火災でラウンジ横に移動していたものを戻したのだ。コースが間近になり、より一層落ち着いた寛いだ雰囲気となった。併せて、厨房の位置も移動。厨房スタッフの意見を聞きつつ、機能性を考えてスペースも拡げた。
ショップもロッカー近くにあったものをフロント横に移し、スタッフ動線を改善し効率化に繋げている。また、ロッカーなども一新。ロッカー室はコンクリートの打ち放しで、ボイラーや電気配線などがむき出しだったものを改修し、印象も向上したという。また、トイレも清潔感向上を念頭に改修した。
表には見えないが、光熱費などのランニングコストを改善するため、一括の暖房から、各部屋にエアコンを配した。
基盤は鉄筋コンクリートで、上物を木造で構成されているクラブハウスのため、経年によるきしみの補正や耐震強化は必須だが、同時に品格を保ちつつ、フロント周りなど、すっきりとした現代ふうの明るさやデザインにも配慮がなされている。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。