クラブハウスは新築すれば、30年以上は継続使用される。
ゴルフ場独自のこだわりも大切だが、
将来の環境変化への配慮も当然必要になる。
「今回のクラブハウス新築に当たってもっとも重視したのは、これからのゴルフ環境に配慮することでした。20年先、30年先を考えて、その時でも機能的で効率がよく、なおかつ来場ゴルファーに歓迎されるハウスであることです」(顧問・泉秀夫氏)
つまり、必要最小限でコンパクトに作ること。それでいて、ゴルフをレジャーと捉えて非日常を感じさせるという観点から高級感を出す。さらに年齢層の高い人たちが好む雰囲気作りというのが、その基本構想だったという。
確かに鉄骨構造ながら、木造を思わせるほどふんだんに木を使い、クラシカルなデザインの山小屋ふうである。外観からはそれなりの規模のハウスに見えるが、延べ床面積は1200㎡を下回る。1日120人ほどの来場者を10人程度のスタッフでオペレートできる広さを想定している。床は高密度で丈夫なカリン材を使用し、梁には檜を使用。色調は外部が黒・グレー系で、内装はダークブラウン系で統一されている。
フロント上部には近郊の日光東照宮のレリーフで有名な三猿の彫り物を飾り、ロビーとレストランには暖炉を置き、奇抜さはないもののシニアクラスが好む落ち着きを演出している。また、テラスは8卓が配置できる十分な広さがあり、リゾート感覚も十分である。
「メンバーさんからは新築できれいだと喜ばれる一方で、温かみがあって初めてのような気がしないとも言われます」(支配人・長久保聡氏)
構造がシンプルなだけに、従業員の動線も分かりやすい。屋根の上にはソーラーパネルが設置されており、電気代については60%以上の節約ができる見込みという。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。