リニューアルをする上で重要なことは、
きちんとしたコンセプトの基に改修すること。
そして、必ず将来的なニーズを見極めてデザインすることである。
三重県の南方に位置し、美しい英虞湾に隣接するリゾートコースとして、内装を全面的にリニューアルした。
「駆体に問題はなかったので、内部のリニューアルとしました。ホテルを含む海洋リゾートの施設として、ゴルフ場の存在を際立たせるためにも、リゾートらしさの演出とゆったりとした空間の提供を重視しました」(支配人・上村司氏)
延べ床面積が2100㎡超なので、決して小さなハウスではないが、構造は至ってシンプル。したがって、動線も明解だ。
1階エントランスロビーはさほど広くないが、奥のラウンジは十分なスペースがある。併行して行われたコース改造で、ハウス前の樹木を伐採して整理したことで、1階ラウンジからの景観も非常によい。
2階に上がると、右側に1階同様ゆとりあるラウンジがあり、その奥がレストラン。コンペルームは階段左のため厨房からは距離があるが、来場客の動線とは別に玄関上に配置した専用通路で繋がっている。
また、2階ラウンジ、通路は木の質感を活かしたルーバーで仕切られており、和風の雰囲気を漂わせる。さらにラウンジ壁には、近隣の伊勢志摩のモノクロ風景写真がはめ込まれている。新調したソファは比較的硬めで、背筋を伸ばして座るような形状となっている。
「以前は座るとふかふかで寝転がるようなソファでしたが、スポーツ施設として活動的な印象を与えるために、今回のようなソファに変更しました。ウェブサイトの書き込みでも、きらびやかではないが、落ち着いた雰囲気で清潔感があると、特に女性から評価をいただいております」(上村氏)
今回、ご紹介したクラブハウスは…
※設計、施工はリニューアル時。
原設計・施工は住友建設㈱(当時)
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。