ムニシパルゴルフ場としてコンパクトなデザインだが
数多い地元リピーターには好評なハウス
「老朽化とともに、現在の耐震基準を満たしていないということで新築することになりました。敷居の低い県営ゴルフ場ですから、華美なものはもちろん、極力ムダを省くこと。そして機能性を最優先にコンパクトにまとめることを重視しました」(支配人・前田芳樹氏)
確かに作りはシンプル。パーティ時しか使用する機会がないコンペルームはあえて作らず、レストランを可動式パーテーションで区切って対応するなど、デザイン上も徹底している。しかし、コンパクトにまとめているとはいえ、平屋だった旧ハウスに比べると延べ床面積は600㎡以上、率にして60%近く広くなっている。
「これまでロッカー室や浴室などが狭くて採光も悪く、ロッカーも駅のコインロッカーのような感じだったので、その点を大幅に改善しました」(前田氏)
ロッカーをすべて入れ替え、ロッカー室を拡充しただけでなく、浴室は明るく清潔感を強調した。ほとんど使われていなかった喫茶室を廃止してラウンジにしたのも、来場者のニーズを考慮してのもの。また、レストランからコースを眺めることができるように、2階建てにしたのも大きな改善点。さらに、玄関前に車寄せを造ったことも、旧ハウスにはなかったことだ。
「群馬県と北埼玉という近隣のリピーターが数多いのが特徴ですが、皆さんに使いやすくなって、雰囲気ももの凄くよくなったと言っていただけます。これまでのように、道路を挟んで向こう側にある駐車場に車を停めて、キャディバッグを担いで来るということもなくなりました」(前田氏)
ムダこそ排除したが、随所に工夫の見られるハウスである。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。