近年、乗用カーでのセルフプレーが主流になって、カジュアル化が進んでいる。
軽便なオペレーションを押し進めるには、
クラブハウスなどの施設の対応が重要になる。
「お客様自身で、キャディバッグを乗用カーに積んでスタートするセルフプレースタイルです。ポーターはいません。現在、ホールアウト時はゴルフ場スタッフの方で下ろしてクラブの清掃をしていますが、オープン時からアメリカンスタイルでした。したがって、クラブハウスもそれに見合ったシステムのものにしています」(支配人・鈴木隆氏)
自然との調和を重視するコンセプト、そしてコストの両面から、ゴルフ場クラブハウスにしては珍しく木造平屋である。そのため、レストラン棟とロッカー・浴室棟の2つに分離して、消防法の規制や節税対策としている。コンペルームもなく、フロント前のロビーも署名台やソファなどが占め、ムダな隙間はない。しかし、1000㎡に満たない延べ床面積ながら、特に狭さを感じることもない。
レストラン棟は事務所と厨房が仕切られているだけで、あとはワンルーム。ロビー、レストラン、ショップ、ラウンジに壁はない。しかし、象徴的なブラウンの梁と天井から下がったライトが、カジュアルの中に落ち着いた雰囲気を作る。レストランはお客が料理の注文をして、運ぶのも下げるのも自らが行うセルフサービス方式。ソフトドリンクは、フリードリンクとなっている。
ロッカーは男女とも適度な広さがあり、兼用ロッカーも完備する。浴室はシャワーだけだったが、オープン1年後に顧客ニーズに応える形で増築し、浴槽のある通常の形式にした。
ハウスに隣接するカート庫からの乗用カーの出し入れやスタート、およびプレー進行管理に3〜4名が従事するものの、その他は、事務所やレストラン、清掃などを含めて7〜8名で運営しているという。これからの省エネ運営には最適なハウスである。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。