心身の安息を求めるのがリゾートである。
しかし、都会の雑踏から離れた非日常の演出にはいくつかのパターンがある。
格調高き空間に身を置くこともまた、癒しに繋がる。
「全面的にリニューアルして、2年前にオープンしました。クラブハウスは40年前の建築美を活かしながら、モダンでかつ、より高級感の漂うリゾートにすることがコンセプトでした」(ホテル支配人・前田智明氏)
表玄関を入ると、マホガニー色に統一された木の質感と2階の大きなシャンデリアが来場客を迎える。もともとクラシック調ではあったが、それがより強調された。ショップはマスター室をスタートテラスの先(屋外)に出すことで、拡張した。
2階は奥にラウンジがあるものの、レストランは広く、36ホールのゴルフ場ならではの空間だ。外の風景は浅間山など借景もリゾート感を演出してくれる。また、テラスはコンペパーティにも利用されるほどのスペースで、内部の〝モダン〟とは一線を画した〝カジュアル〟な感覚である。
今回のリニューアルによって内装の充実を図ったほか、女性用ロッカーの増設や浴室拡張も行われた。
だが、一方で、延べ床面積は2663㎡と、36ホールのクラブハウスとしては小さな部類に入る。内装が凝っているため一見広いようにも感じるが、動線はシンプルで無駄な部分はない。効率面から見てもよく考えられたハウスである。
標高1300mにあり、軽井沢という名を冠するゴルフ場としてはもっとも高いところに位置する。そうした滞在型のリゾートとして、クラブハウスとは離れてホテルがあり、他にディナー用のレストランが洋食用、和食用と2棟ある。なかで、洋食棟のアゼリアにはレストランフロアや焼き肉フロアとともに、1000本のワインを有するウォークインワインセラー付きのラウンジがある。クラシック調の雰囲気はクラブハウスと共有されており、来場客のリゾート気分を盛上げている。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。