90年の歴史を誇る旧コース、5代目のハウスである。
利用者の大半が近隣のビジターのため、
ムダを削ぎ落とした省エネハウスとなっている。
「多くが地元のビジターさんなので、車の中で着替え、シューズを履いてフロントで受付をする。ロッカーも使いませんし、お風呂も滅多に入らない。そうしたことを念頭に、ムダなものを省いて使い勝手を優先して造りました」(支配人・木村浩美氏)
手引きカートが乗用カーになったものの、昔から続く常連客のスタイルである。ロッカーは、3年間の使用実績から適正な本数を割り出した。結果、男性24本、女性12本。浴室もシャワーのみとし、男性が4室、女性が2室とした。象徴的な省エネハウスだが、必要な機能は十分に備えている。
フロントに立てば、来場はもちろん、男女ロッカー、レストランなどの出入りがすべて見える。事務所とスタート室は一体化しており、必要最低限の人数で運営できるようになっている。
一方でレストランは、旧来のスタイルであるオープンキッチンながら、ホールにスタッフがいるフルサービス。コース側には、排煙設備を備えた人気のジンギスカンコーナーも設置した。
「隣接する新コース(18H)のハウスまでは2㎞ほどありますが、新コースのお客様がわざわざ旧コースのジンギスカンを食べに来ることもたびたびあります」(木村支配人)
最近は、道外客を含め、新コースで18ホールラウンド後、歴史ある旧コースを回りたいというニーズが増えているという。
「新旧の両コースをプレー希望の方には、大きな荷物を新コースのロッカーに残し、入浴もゆったりと新コースの浴室でどうぞと案内しています」(木村支配人)
さらに、ハウス外にも工夫がある。1つは、それまで玄関前で受取ったキャディバッグは、ハウス内を通ってスタートテラスに運んでいた。その動線をハウス脇に移した。軒を伸ばして雨を防ぎながらコース側に持って行ける。また、早朝や薄暮営業時はハウスをクローズしてマスター室で対応できるように、カート庫の一角に男女トイレも新設した。
実質半年ほどの営業期間ながら、9ホールで1万5000人以上が来場する人気を支えるハウスである。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。