既設のゴルフ場がリニューアルによって
まったく別のゴルフ場に生まれ変わることは日本では滅多にない。
その希有な例が茨城県にある。
「コースもクラブハウスも、ゴルフ場全体が世界基準で通用することをコンセプトに2015年からプロジェクトがスタートし、その一環で、今回のクラブハウス改修があります。ゴルフという広大なフィールドの中に展開するスポーツのクラブハウスとして、自然の風合いを感じられる空間の演出がメインテーマです」(ゼネラルマネジャー・小貫豪氏)
ロビーはカーペットではなく、寄せ木調のフローリング。しかも、表玄関から奥に進むに従って色が濃くなるグラデーションの演出をしている。また、フェンスは木の格子。木目調のシートではなく、本物の木や土を使っている。
また、こうした豪華なハウスにありがちな動線も見直されている。ラウンジを中央に据えて左右に分かれていたレストランへの階段を真ん中に移し、ロビーから2階へのシンプルな動線を確保した。旧ハウスでは、デッドスペースに近くなっていたラウンジも、左右に振り分けてメンバーズラウンジとすることで使い勝手もよくなっている。
スタートテラスと同じ階となる男性ロッカーは十分なスペースを取り、ゆったりと配置されている。さらに女性脱衣室は、限られたスペースを脱衣、8つのパウダーブース、個室シャワーと3ブロックに分けて機能性を高めている。
レストランフロアーはバーにダイニングスペースが2つと、3つに区切られている。ただし、壁はなくオープンで開放的。天井がコース側に傾斜していることで、視点が窓側に集まりやすい。また、ロビースペースが照明を落としてシックな落ち着いた雰囲気であるの対して、湾曲した窓からはコースが一望できて明るく活動的なイメージである。ただし、床はロビー同様、寄せ木調のフローリングである。木の格子もあって、統一感はとれている。
バースペースはソファー、ダイニングスペースのテーブルと椅子はシンプルかつモダンなデザインの木製と、置かれた調度でその特徴づけと雰囲気作りをしている。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
リニューアル:
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。