新コンセプトのもと戦略性の高いリゾートコースに生まれ変わる上で、
コース改造とともに老朽化したクラブハウスを新築した。
南国リゾートのイメージを全面に出しつつ、細かな拘りも垣間見える。
「南国リゾートのクラブハウスとして、開放感を重視しました。傾斜地という地形を生かして、フロント棟は平屋、途中のロッカー、浴室は2階、そしてレストランやコンペルームの棟は、1階にカート庫を配して3階建てとなっています。開放感の1つとして、半室外という感覚で左右の棟を回廊で繋ぎ、風は抜けるが雨は凌ぐという造りにしました」(支配人・久留島栄二氏)
コースも全面的に改造していて、海が望めるようになった。そのコースと海との景観をクラブハウスからも堪能できるようにと、あえて傾斜地を利用し、レストラン棟はコース(デイゴコース9番)が正面にくるように北方向に振っている。
「開放感の2つめとして、広々としたコース、そしてその先の海が見えるようにとの配慮もありました。レストランだけでなく、その上の階にコンペルームを配置したので、パーティ客、あるいはトーナメント開催時はテラスから景観を楽しめるようにとの配慮もしています」(久留島支配人)
実際、目の前のデイゴコース9番ホールだけでなく、1番、5番、6番など数ホールのプレーぶりが見える。
沖縄の場合、台風禍を考慮して頑丈な建物にする傾向があり、かつては内部が暗くなるハウスが多かった。が、このハウスは採光も十分である。また、壁は琉球石灰岩を使い、フロントカウンターには勝連トラバーチンという、地元の希少な石も使用している。さらに、ガラスは強化ガラスで台風などの強風にも耐えるものになっている。また、コンペルームの入口には琉球ガラスアーティスト・宮國次男作のサインプレートが使用されている。
随所に拘りの工夫があるなかで、玄関とスタートテラスを隣接させ、来場時にキャディバッグを運ぶ動線を軽減させるといった配慮も見受けられる。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。