地元密着型のゴルフ場は来場客の顔が見えるだけに、
運営も施設も顧客ニーズに配慮したものとなる。
「建物が古く、水回りは毎年何らかの修理が必要な状況でした。そこで、全面的にリニューアルすることにしました。うちは地元客が9割のゴルフ場です。そこで重視したのが、プレーヤーが高齢化しているため、安全に使えるということでした」(代表取締役社長・清本茂氏)
2階への階段は勾配を緩やかにした。フロントでもレストランでも手元が明るくなるように照明を増やした。1階だけだったトイレを2階にも増設し、女性浴室のスペースも拡大した。さらにレストランにあった大きな薪ストーブも撤去した。
「もともと小さなハウスなので、ムダなスペースを見直して、ゆとりを持って動けるようにしました。コンペルームは3室から2室にしましたが、その分、レストランを利用するなどして対応しています」(清本社長)
レストランの奥には、ジンギスカンコーナーがある。ソウルフードとして人気が高いというが、以前はテラスだったものをガラスで囲って寒さ対策をした。また、レストランの照明や調度、トイレ機器、空調設備などは一流メーカーの製品をあえて使用している。
「地方の大衆コースですが、使う人の立場に立つことと後々のメンテナンスを考えれば、メーカー品にこだわった方が間違いなく得策だと思います」(清本社長)
また、外壁は黒。ゴルフ場のクラブハウスとしては珍しいが、そこにも配慮がある。
「外壁はガルバリウム鋼板を貼っています。以前は白でしたが、黒い方がシャープなイメージもありますし、何より虫がよらないようにとの配慮です。それにこの辺りは、近くに昭和新山や有珠山などがある火山地帯で、小さな地震も多い地区です。そのため、ペンキを塗っただけだと亀裂が入る可能性も高く耐久性の面でも、また寒い時季の暖房効果も高まるという考えからです」(清本社長)
動線はもちろんシンプルで、機能的なハウスである。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。