経営交代により数回に分けてリニューアルをし、
当初からのワンルーム的な空間を現代的な高級感を備えつつ、より開放的にした。
2階建にせず平家にして、来場者に分かりやすい動線を確保し、前面ガラス張りにすることでコース側の景観を最大限に強調するというのが、元々の設計コンセプト。明るさやシンプルな動線は現在でも重要なファクターだ。
「ワンルームのような大きな空間で明るさとともに開放感を演出しているハウスです。レストランのドームのような湾曲した天井は、太い梁によって支えられている橋によくあるトラス構造です。2本の大きな柱は一見大黒柱のようですが、意匠的な用途が強いです」(フロントチーム・安藤篤氏)
大きな空間が確かに2本の柱によって締まって見える。また、フロントロビーとレストランを分ける効果もあるようだ。
「レストランとロビーとの間は、以前はレンガの壁が人の背の高さほどありました。そのため光をある程度遮っていたことと、開放感はロビー側にはありませんでした。それをリニューアルで取払い、木目調の短い柱にしたことで採光もよくなり、全体が1つの部屋のような一体感も持てるようになったのです」(安藤氏)
リニューアルではこの他にも、ラウンジからスタートテラスに続く壁をマホガニーの合板に換え、壁にいくつも張り出されていた複数の選手権ボードを、理事長杯などのカップとともに、意匠ケースに収納して展示するギャラリー通路を改修した。
「主要個所は古くなっているだけで、改修が必須ではありませんでしたが、雰囲気作りとして木のぬくもりと高級感も備えるものにしました」(安藤氏)
明るい開放感とシックな落ち着きがマッチしたハウスである。ちなみに、東日本大震災でもハウスはビクともしなかったというから、建物の躯体は非常にしっかりしたものなのだろう。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。