最寄り駅に隣接し、日本でもっともアクセスの良いゴルフ場。
ただそれだけにクラブハウスの敷地・スペースは限られ、
リニューアルにも工夫が必要になってくる。
「1970年に建設して以来、増築はあってもほとんど改修はしていませんでした。そこで、設備関連の更新と耐震補強、そして女性スペースの拡大を目的に今回のリニューアルを実施しました。女性エリアは徐々に増やしていった経緯もあり、実際、浴室は家庭用のお風呂をひと回り大きくした程度でしたので、時流には合わないと判断しました」(常務取締役支配人・藤野努氏)
結果的に女性エリアは従前の2・5倍に広がった。限られた面積だけに、男性のロッカーを脱衣室兼用として、脱衣室をなくし利用頻度の少ない倉庫も潰してスペースを捻出した。
「男性浴室は出入口が2カ所できてしまいました。これはロッカー室を脱衣室兼用としたことと、耐震補強の関連で仕方なかったのです。ただ、動線的には浴室まで短くなりましたが」(藤野支配人)
とはいえ、特に平日は近隣の人の来場が過半のため、ロッカーやお風呂の利用率は非常に低い。ちなみに、ロッカーは男女とも利用者だけが支払うコインロッカー形式だったが、今回から通常の料金に含める形となった。
「くずはオリジナルなので、初めてのお客様は違和感を持たれるようでした。それを普通のゴルフ場と同じようにしたわけです」(藤野支配人)
レストランもレトロ感漂う昭和の食堂という雰囲気だったが、それをカジュアル感あるデザインに、同様のコンセプトでフロントロビーも一新した。また、コンペルームも広げ、20人以上収容人員を増やした。
「河川敷コースですが、男子トーナメントも開催していた歴史あるコースとして、これからのゴルファーに幅広く受入れてもらえるように、コンペ集客についてもしっかりして、女性客比率も増やしていこうという、将来を見据えてのリニューアルでした」(藤野支配人)
アクセスはこれ以上ないものなので、受入れ施設が体制を整えれば、十分に目標へ近づけるのではないだろうか。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。