その名の通り温泉地にあるゴルフ場として、宿泊施設を備えている。
その点を含め、機能性に配慮されたハウスである。
宿泊施設を付帯したゴルフ場はあるが、クラブハウスと一体化している例は意外と少ない。
「このゴルフ場は計画時点から宿泊滞在型と認識されていたので、クラブハウスもそれを念頭に設計されました」(エクセレントゴルフクラブ一志温泉コース副支配人・大竹和宏氏)
ゴルフ場が所在する地域一帯の温泉が七栗の湯と呼ばれ、伊勢神宮への参拝の際に身を清める湯の1つとして昔から知られていた。さらに、エクセレントGCは岐阜県と三重県に4コースあり、共通会員制を敷いている。そうした背景から、宿泊施設を設けたという。
間取り図を見れば分かるが、宿泊施設は2階に17室、まるでコンペルームが連なるように配置されている。ここからは男女浴室への移動距離も短い。もちろん、浴室は男女ともに露天風呂があり、室内の浴槽も大きい。
また、現在フロント前のロビーは大きくショップ展開をしているが、その奥には朝食時はビュッフェレストランにもなるラウンジがある。つまり、朝、来場客が宿泊施設のある2階には上って行かないようになっている。さらに、玄関脇にカート室とバッグ置き場があるので、ポーターカーがいらない点も効率がよい。今では多くのゴルフ場で採用している男女兼用ロッカールームも、1999年開場当時は珍しいと言えるだろう。
宿泊施設があることもあって、5600㎡超と比較的大きなクラブハウスではあるが、動線はいたってシンプルで機能的だ。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。