日本では、上階にレストランを配置した2階建てのクラブハウスが多いが、
どうしても階段が必要になる。その点、平屋のハウスには動線上のメリットがある。
「4年ほど前に老朽化した部分の改修とバリアフリー化の目的でリニューアルをしました。メンバーの平均年齢が60代後半になっているので、クラブハウス内の安全対策は不可欠なことです」
と、ゴルフ場担当者は語る。
「いずれも数段ながら数カ所に階段がありました。車寄せから玄関、玄関を入ってからフロント前まで、そして、ロビーからレストランへと。2階建から考えれば、わずかですが、やはり完全バリアフリーにするにはそれもなくそうということで、階段の上を覆ってスロープにしました」
木目調の細い板張りの高い天井は、クラブハウスに入った時の圧倒的な存在感がある。木のぬくもりはこのハウスを支配するコンセプトのようだ。これは最初からのデザインで、補修しながら現在に至っている。そして、マホガニーと白壁の色調の統一で落ち着いた雰囲気が演出されている。
「コンペルームの増設など、小さな改修はこれまでも行ってきましたが、4年前は照明も変えました。直接照明の多くを間接照明にして上方を照らして明るくし、大きな空間がより強調されるようにしました。コースレイアウト的にもシニアやレディースが楽しめるものなので、今後もコンパクトでシンプルな平屋も特徴を生かしつつ、雰囲気を大切にしていきたいと思います」
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。