クラブハウスはゴルフ場の中の一施設。そして、主役はゴルフコースであることは間違いない。そのため、ハウスにもゴルフコースの設計コンセプトを応用していることが多い。
自然の中にあるゴルフコースには、基本的に直線は存在しない。曲線が織りなす造形が美しさの源というのが、コース設計家・小林光昭のいう『Rの思想』である。ローズウッドゴルフクラブも同氏の設計によるもので、コースの設計コンセプトとなっている。クラブハウスの設計者は違うが、この考え方を踏襲して設計されており、ドーム型のロビーがその象徴となる。
表玄関を入った正面には湾曲した大きなガラス窓の先にコースが広がる。贅沢な非日常空間が展開されることになる。
「ハウスに入ると、フロントよりもコース側に目がいって、写真を撮る方もいらっしゃいます」(支配人・吉村伸一氏)
こうした一体感あるコンセプトの統一は、ゴルフ場の特徴づけ、アピールに繋がるものだ。反面、機能性や使い勝手が疎かになることもある。しかし、大きなドーム以外は比較的オーソドックスで、決して動線も悪くない。数段の階段を上がって、左右にレストランとコンペルームが分かれており、パーティ終わりの人たちがレストランで寛ぐ人の脇を通るということもない。
レストランは、強大な空間を提供しているロビーに比べると、木のぬくもりを感じさせる作りで、落ち着いた雰囲気が優先されている。
ロビーから下に降りると、スタートテラスに向かう空間を利用してショップがある。そして、その奥の左が男性、右が女性ロッカーに続く通路である。
確かにドーム型のフロント・ロビーは来場者を驚かすようなインパクトがあるが、その他は心休まる構造とデザインのハウスとなっている。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。