ゴルフダイジェスト出版案内>ゴルフ野性塾SP

ゴルフ野性塾スペシャル
No5... ゴルフの感覚と現実...(7/21)

手で打たないでどう飛ばすのか

よく本などで、プロは「手でボールを打つという意識は、全くない」と書かれてあるのを読みます。

これはどういうことでしょうか。自分は、手を振るからこそ体がついてくると思っています。坂田プロはどう思いますか。よろしくお願いします。

(新潟県 M)


球を打つ感覚と現実の感覚は表裏一体
手がなければ、クラブも振れず、球は1センチたりとも動くことはない。これは間違いのないことです。

確かに貴兄の疑問は素朴であるが、真実とも言える。

ゴルフにおいては、感覚的な表現が重要視されます。この貴兄の疑問は、その感覚と現実という表裏一体のものが、均質すぎるのでしょう。

私は感覚的には腰で打っています。また体調のいい時には、どこで打っているという感覚はなく、ただ体を回せば球が飛んでいたというところの感覚を感じます。

手で打つことが、手で打つという感覚ではありません。

人によっては手で打つという感覚を前面に押し出す人もある。逆に脊髄とか腰とかひざとか、あるいは頭のてっぺん、そういうことを言ってくる人もいる。これはあくまでその人の感性であります。

現実は手があるからこそ球が飛ぶ。しかし、手という感覚から離れて、全くボールには関係のない体の一部分に打つという意識を持ってくるのは、一種の「道」に通ずるのではないでしょうか。

鍛練という練習をやっていると、意外と非常識な感覚というものは出てくるものです。
貴兄がこれから先、球を多く打ち、技量があがるに従い、今の疑問が冷えていく、ということは十分に考えられます。

私もあなたと同じようなことを、初心者の時には考えておりました。今はその初心者時の気持ちも分かるし、手というものを乗り越えた自分の感覚も分かります。要は鍛練の長さと幅の問題でしょう。

どうか日々練習に励んでいただきたい。いつの日か貴兄にはまた、違った常識というものが見えてくるはずです。