高橋勝成の新潟オープン
猛暑。新潟オープンの開催週。坂田プロのプロ時評のなかに、以前の新潟オープンに関連したものがある
左打ちの空振り
私は日本のプロゴルフ界において、知性派の旗頭に位置するプロは高橋勝成であろうと思っている。
新潟オープンの最終日、高橋は13番ミドルホールのセカンドを左打ちで空振りしたことがあった。
右の松林の中、松の木の右側の根っ子にあった球。左打ちのアドレスを取ればカート道路にスタンスがかかった。
ただし、右打ちでも松を抱えたこんで打てば、球を5ヤード程度出すだけのスウィングはできた。理をとなえれば、動かすことの出来ぬ障害物として救済措置を通すことも可能だったかもしれぬ。
高橋は両足をコンクリート道路の上に於いて、左打ちで打っていった。
第2打を空振りし、同じく左打ちの第3打をグリーン手前まで持ってゆき、結果はナイスボギー。
私は高橋の姿勢に感服した。
そこまで3アンダー。まだ優勝の目のある状況下。己を罰した高橋の節操きの高さ。いさぎよい高橋のゴルフであった。
勝成はその試合、通算4アンダー。トップと4ストローク差の13位タイで終わった。
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