ゴルフダイジェスト出版案内>ゴルフ野性塾SP

ゴルフ野性塾スペシャル
No6... ルールに甘えぬ潔さ...(7/28)

高橋勝成の新潟オープン

猛暑。新潟オープンの開催週。坂田プロのプロ時評のなかに、以前の新潟オープンに関連したものがある


左打ちの空振り 私は日本のプロゴルフ界において、知性派の旗頭に位置するプロは高橋勝成であろうと思っている。

新潟オープンの最終日、高橋は13番ミドルホールのセカンドを左打ちで空振りしたことがあった。

右の松林の中、松の木の右側の根っ子にあった球。左打ちのアドレスを取ればカート道路にスタンスがかかった。

ただし、右打ちでも松を抱えたこんで打てば、球を5ヤード程度出すだけのスウィングはできた。理をとなえれば、動かすことの出来ぬ障害物として救済措置を通すことも可能だったかもしれぬ。

高橋は両足をコンクリート道路の上に於いて、左打ちで打っていった。

第2打を空振りし、同じく左打ちの第3打をグリーン手前まで持ってゆき、結果はナイスボギー。

私は高橋の姿勢に感服した。

そこまで3アンダー。まだ優勝の目のある状況下。己を罰した高橋の節操きの高さ。いさぎよい高橋のゴルフであった。

勝成はその試合、通算4アンダー。トップと4ストローク差の13位タイで終わった。


... 集中力とゴルフ...(7/28)

なぜプロは疲労するのか

有名プロがよく「疲れがピークだ」とか「からだがガタガタだ」などとコメントします。スポーツというのもおこがましい程度の運動量のゴルフで、しかも私たちよりはるかに少ない打数で回り、1日たった18ホールしかラウンドしないプロが、なぜそんなに疲れるのか、わかりません。どういう疲れ方をするのでしょうか。


試合での1打の疲れは説明しがたいものです
1発の濃度が違います。

練習ひとつにしても、集中力、仮想ホールの設定、球質球筋の求め方、そしてバランスのとれたフルショット等、いずれにしても上手い人ほど、1球に対して疲れるものです。

ましてや、優勝を競う状況のゴルフはスキひとつでも見せれば崩れが待っている。

余裕のない気持ちで球を叩くのは意外と辛いことです。この疲れは経験していただく以外に説明のしようがないような気がします。

試合は疲れます。練習ラウンドの倍は疲れます。ましてや、自滅の時なんか、イヤになる程にグッタリとくるものであります。打つ数で推測出きる疲れでないのは確かです。

しかしゲームのいい時、スコアが伸びた時、この疲れは快感です。だから、ゴルフをやめられない。

疲れは溜まります。

それだけのことです。