プロの壁、塾長はいくつ乗り越えた?
プロゴルファーにとっての壁とは厚いものでしょうか。高いものでしょうか。プロにとっての壁とは何でしょうか。塾長は、それをいくつ乗り越えましたか。不躾な質問ではありますが・・・。
(東京都 68歳)
プロの壁は初陣と
その後の3年にある
あくまで私の経験で述べさせてもらう。プロの壁とは「初勝利」である。
私にはプロに入ってから多くの初勝利のチャンスはあった。研修生時代、10回の中部地区研修会のうち7回勝ったことがある。当時の私は強かった。
そこから先が問題である。チャンスはあった。そのチャンスを自滅でことごとく潰した。ひっくり返された覚えは一度もない。すべて、自分で転んだ。ここでスーッと勝っておれば、今と全く違っていたであろう。
「プロの壁」とは、初陣、そしてその後3年にある。勝たねば「プロの壁」は日ごと高く、厚くなってゆく。早く勝たなきゃいかん。
勝利への道が見えているうちはいい。この道がそのうち、見えなくなってくる。自分の敗因、その他の解決すべき要因を見つけることのできるうちは、チャンスはある。
プロテストを通り、試合に出場でき、予選を通り、最終戦線にポソッポソッと顔を出しているうちは、華である。壁は見えている。厚さも、高さも、その越えるべき手段も。
試合から遠ざかり、己の身を嘆きだ出し、他人に不満をブッつけるようになると「壁」から離れてゆく。そして、終わる。
私は13年かかって「最初の壁」を越えた。ナイジェリアで勝った。ひとつだけ、私は越えた。
次なる「プロの壁」は九州オープンである。そこまで辿り着ける足があるか、這い上がる気力があるか自分でもわかっていない。
中島はない、と言っていた。倉本もない、と言っていた。女房だけが「頑張りましょう」と言っている。
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