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ゴルフ野性塾スペシャル
No33...スパイクの裏でグリーンを読む ...(2/14)

グリーンで20歩あるけばピーンとくる
プロは足の裏、つまりスパイクを通してグリーンの硬さや傾斜を感じとる、という話を聞きました。本当でしょうか。それは訓練でしょうか。素質でしょうか。また、パットのうまい人は平衡感覚がすぐれていると思うのですが、いかかでしょうか。(札幌市 33才)

必死の想いで探せばできるように

足の裏で探る"スパイクのカン"というものは、1年に100ラウンド、それを3年のあいだ続けてゆけば、自然と身についてくるものです。

「何かみつけなくては」という想いで歩けば身につきます。私のように鈍な者にでも、間違いなく身についております。難しいことじゃない。

「何とか、何とか」という気持ちが、足の裏を鋭敏にしてくれます。

ただ、漠然とラウンドを重ねていても、身につくものでもありますまい。ゴルフに関する限り、二十歳を過ぎた人の努力とは、神経の張りめぐらし方とその要領をいうのではないでしょうか。あくまでも意識することです。

漠然とプレーしていたのでは、幼少にて始めた人に勝てるわけがない。本能的ゴルフに対抗するのであるからして、余程の注意力がないと対等の競争は出きえないでしょう。

晩学の徒は、無意識の領域に到達するためには、意識することより、始めねばならない。早学の徒は、無意識より始め、無意識に至る。彼らに晩学の徒の心情は理解できていないと思う。

訓練でできます。私がそのいい例です。今、私はグリーンの砂の配合、できてからの月日、芝の根の深さ、元気のいい芝か否か、そして芝目ぐらいは、グリーンに乗って20歩ぐらい歩けば第一感にピーンときます。

私はカケゴルフでゴルフを覚えました。鹿沼CC時代、金を持ってゆかれるのが辛くて、真っ暗やみの中、小雪の降るとき、パターと球を持ってコースのホールカップを渡り歩きました。あすの勝負のため、球の切れ具合を確かめるためやりました。負けたくなかった。勝ちたかった。

そういう状況で球を追っかけているうち、いつのまにか、グリーンの性格を足の裏で知ることができるようになっていた。想い返せば、実に懐かしき日々でありました。

あの頃の自分の姿を想えば、いとおしく、そして悲しくもなってくる。すでにふた昔の月日が経っている。アッという間の、年月の流れである。貴兄にできるかどうかは、環境の問題もあり、むずかしい面はあります。しかし、可能です。私もできた。

巧いやつは深読みして間違うことも

つぎに平衡感覚の問題ですが、たしかにパットの巧者は、読み、という点ですぐれている。彼らは、傾斜、芝目、芝生の腰の強さ、それらを直感で読んでくる。それから、直感を改めて読み直してくるのであるから、読みに関する限り間違いは少ない。

ただし、彼らにも間違いはある。細かく読めるだけに、読みすぎて深入りしすぎたラインをつくってくることがある。

勝負の神様は平等ですよ。必ず、いいものを残してくれている。晩学の貴方にも、チャンスはある。私にもチャンスはある。諦めることはない。希望をもってゴルフをやってゆきましょう。