テレビでは難しさがわからない
マスターズトーナメントは毎年欠かさず見ていますが、TV中継で見る限りコースの難しさが生で伝わってきません。画面で見る限りアップダウンがあるでなし、OBが多いわけでなし。グリーンは確かに難度が高そうですが・・(中略)坂田塾長が実際にプレーしたとしてたら4日間でどれくらいのスコアになるのでしょうか。
(本庄市 19才)
風と芝目とアンジュレーション
風でしょう。オーガスタの春風は、グルグル回りの浮気風。
それに、強さも変わります。これが難しい。
何故、池ポチャ川ポチャが多いかといえば、風の強さが刻々と変わってゆくからでしょう。強さが一定であれば、一流のプロは距離的ミスはしません。
プワーッと吹いていた風が、打ちおわったあと、スッと止まることがある。こうなりゃ、グリーンオーバーは当たり前。オーバーしなけりゃ、ショットが間違っているのです。弱い風が打った後にプワーッと来る--球はグリーン手前で立ち往生。そして池ポチャ。
扇風機の強・並・弱の風量調節つまみをせっかちに切り換えてゆくような、風の変わり方が午後になると出てくるんです。午後のラウンドでスコアが伸びぬ理由の一つでもあります。
グリーンは難しい。ピンの位置次第では、6畳の広さに打ってゆくような状況もあります。特にショートホールで、この6畳に打ってゆくショットの正確さが求められてくる。
グリーンのアンジュレアションが大雑把であり、グリーンも柔らかく、遅けりゃ、それまでの風が止まろうが゛突然のヒステリー風が吹こうが、難しくはない。しかし、何せオーガスタのグリーンは精緻すぎる。ゆえに、風の変化で球は乗るには乗ったが、3パット決定というということにもなる。
オーガスタは、風と、グリーンのアンジュレーション、それに順目の速さが怖い。
世界中のコースを--フェアウェイ幅、ラフの長さ、風の強さ、グリーンの速さを同じ規格にしたとします--それでも多分、オーガスタが最も難しいでしょう。その理由はグリーン。
私がオーガスタのマスターズトーナメントそのものでプレーした場合、準備万端整えて臨んで、ラウンド78では回ろうと思います。
仮に予選通過スコアを4オーバーの148とすれば、私の仮想スコアは156。8打足りません。
私の仮想スコアを見て、上手いと見るか、下手と見るかは、人それぞれでしょうが、日本のプロ2000名中、2ラウンド160を切れる人は400名いないでしょう。
オーガスタは難しい。特にマスターズのタ頃の春風は浮気風です。コロコロと変わってゆく。だから、なおのこと難しい。
歴戦のニクラスのプレーからは、風の息吹のタイミングを推し量っているような、風に対する合わせ呼吸の上手さを感じました。今後、ニクラスの合わせ呼吸の上手さを継げるプロは、はたして出て来るでしょうか。
|