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ゴルフ野性塾スペシャル
No55...全米プロ追想...(8/3)

アラバマ州バーミンガムにて
天野山で行われた日本プロ取材の時、「座って金の貰える商売だから楽でいいなぁ」と言うプロがいた。「予選落ちのない商売だから楽だろう」と言うプロもいた。「俺もやりたいけど才能がないからなぁ」と溜息つく者もいた。

馬鹿抜かせ!ってんだ。今、夜中の2時40分。朝も7時に起きて、2ランウドハーフついて回り、その後、10時から机に向かってこの時刻。毎日毎日、この繰り返し。今日8月12日。全米プロ開催地、アラバマ州バーミンガム市の郊外のモーテルの一室・・。

昨日の決勝ラウンド初日、15番グリーン奥で、私は膝をかかえて寝入ってしまった。頬ぺたを突つかれて目が醒めた。このいい気分を邪魔するのは誰だ、と思って顔を上げれば、眼の前にウェイン・グラディが親しげな顔で私をのぞき込んでいた。

彼は、フレッド・カプルスの50センチのパーパットを指して、「難しい」とひとこと言った。握手をするために腕を差し出したグラディ。奴には最終組の重圧はないのか? グラディの手はシットリしていた

彼は私の肩を叩き、「大丈夫か?」と言い、足早に16番ティへと向かった。大丈夫か?と言いたいのは私の方である。カプルスやスチュワートにグラディは追い上げられていた。

ただ、正直申せば、私は疲れているのです。体が重い。体重が増えただけのせいではなさそう。原稿が多すぎる。義理と人情で断わるにも断われず、原稿が増え続けている。

物書きは義理を欠くべし(捨てるべし)と先人は言った。けだし名言。健康のための至言である。もう止めた、と放り投げ、ツアーに戻りたい心境。今、私は担当者どのも頭にカブりつきたい気持ちです。何が楽でいいもんか! 藤木三郎よ、やってみろってんだ