(奈良県 38歳)

フィーリングは重ね刃に似る。一枚一枚と振り抜きの、あるいは叩きのフィーリングを重ねてゆく事が上達の礎となる。だから、球を打たなきゃ駄目だ。素振りでフィーリングを得ることは出来まい。

逆にスウィングは素振りで固めるものです。球を打つ事で固めるのは難しい。フィーリングは球を叩く事により重ねゆくものであり、スウィングは素振りで固めてゆけばいい。

アマの方は逆を求めてくる。だから打った球数、振った素振りの回数が役に立ってこない。

求める方向を間違う方は多い。方向を間違えなきゃ、ハンディ12には誰でも行ける。ゴルフ場のハンディキャップボードの前、13以上の方の名を見た時、いつも思う、求めの方向を違えし方だなと・・・。

練習場に1人や2人、極めて練習熱心な方はおられる。毎日、練習場通いされてる方ですな。でも、そうゆう人、ハンディ12前後でウロウロされている。

そんな方、ひとつのアドバイスで12の壁は突き破れる筈。方向です、方向！

いい球を打とうとする意識走れば、スウィングに癖は出る。こんな時、いい癖なんて出はしない。出るは悪い癖に決まってる。癖ってのは、9つの悪しき癖に1つの善き癖、要するに9対1の比率と考えた方がいい。

練習とは、癖の比率を変えてゆく鍛練なのです。私は球を打つ時、いい球を出そうと思って打たぬ。フィーリングを重ねる気持ちで打ってゆく。そうすると結果として、いい球は出ている。

素振りの時はスウィングを固める気持ちだけで振る。私はクラブを握って10日目に86で回っています。10カ月目に栃木県アシスタント研修会に出た。88・76＝164のスコアでした。11か月目、パープレーで回り、優勝した。

今、振り返れば私の練習の方向は間違っていなかったと思う。プロを目指す者、クラブ握って1年でハンディゼロから3の間にゆかなきゃ、どっかが変調。練習の方向を間違えている。

熊本と札幌の塾生、急なる進歩最中。特に札幌が伸びてる。小学生の女子塾生、クラブ握って4カ月で80台で回る。方向を間違えてない。

ゴルフが難しいものになるのはハンディ3くらいからです。ハンディ3迄は一気に行かなきゃ駄目だ。フィーリングは球を叩くことで厚くするものである。厚さは自信に変わりゆく。スウィングは素振りで固めればいい。これも自信に変わる。

貴兄は素振りをやりなさい。1週間に1度、ハンディ3以上の方にスウィングチェックして貰い、チェックされた部分を意識しながら、ゆったりとした素振りをやりなさい。

毎晩300回は要る。超一流どころのプロはゴルフを始めた若き頃、寒空の下で黙々と素振りをやってる。3時間は振り続けてますぞ。

素振りを知らぬ者に明日はない。貴兄に3時間を求めはせぬ。300回でいい。やりなさい。3アイアンを使った素振りがいいと思う。球を叩いてフィーリングを重ねる時は、6アイアンを重点的に打って欲しい。貴兄にクラブ無しの上達法はない。

クラブ握って23年の私、クラブ持たずとも体のどっかでゴルフはしている。そうなる迄には多くの球を打ってきたし、素振りもしてきた。

この間、友人の家で世間話をしていた時、少し考えることがあった。ダウンスウィングのヒントを得た。彼のクラブを借りて庭に降りた。素振りを始めた。足許はサンダル履き。1時間40分、私は振り続けていたらしい。友人が教えてくれた。この時、終えてすぐ、私は風呂に入ったので過ぎし時間は知らなかった。

「まだまだプロだネ。黙々と1時間40分、振り続けるとは！」 奴は感心していた。

「物書きやっててもゴルフ馬鹿だな。でも、そろそろ馬鹿から外れてもいいんじゅないのか！ 47歳になったんだろ」

「ゴルフ馬鹿、万才じゃないか。俺はもっと馬鹿になりてえよ。どっかで腰、引いてんだよな、馬鹿になりきれなくて！ 馬鹿になれないプロって、辛いものだぜ。一芸馬鹿って、人間の勲章だと思うよ。俺は馬鹿になりてェ。馬鹿になれないプロって、本当の馬鹿だ」

奴さん、そんなものかねェ、と考え込んでました。

一芸馬鹿になれたら、定年も引退もない。それが人間の無上の幸せじゃないでしょうか。貴兄はクラブを振りなさい。球を打ち、素振りをやり続けるのです。ハンディ12になる迄は、己のゴルフを己で評価してはいけない。己のゴルフを己で評価出来るのはハンディ12からです。

ミスばかりしてイライラするって！?

それが当たり前。下手なんだもん。打ちなさい。振りなさい。