もっと筋肉をつけたい
先日、生まれて初めてプロトーナメントを見に行きました。プロの皆さんは、テレビで見るよりもずっと大きくて、がっちりしているのにビックリ。特に驚いたのが腕の太さや筋肉のつき方。私の太ももくらいありそうな太さで、皆ムダのないハリのある筋肉を蓄えていました。友人と一緒に「プロはやっぱり違う」と、感心ひとしきりで帰ってきました。
坂田塾長の腕も太いんでしょうね。まぁ、私もプロ並みとはいかなくても、もう少し腕や肩の筋肉をつけたいと思っているのですが、どんなトレーニングをしたらいいんでしょうか。塾長はジュニア塾でも教えていらっしゃいますが、彼らにも筋肉トレーニングを施しているんでしょうか。( --後略-- )
(新潟県・23歳)
まず素振りです
私は機械トレーニングを否定はしないが、勧めもしない。
ゴルフは前後左右の動きの中でスピードをつける競技ではない。その場の回転の中でスピードをつけ、正確なヘッド軌道を作る競技である。
また、クラブの多様性を知る必要もある。ゴルフは300ヤードから1センチ迄の距離を克服する競技。道具を使う競技としては、14本のクラブが存在するゴルフがNo.1ではなかろうか。
筋肉モリモリの体に柔軟なスピード変化を生む要素は少なかろう。筋肉は柔軟であるべきと考える。
私は自転車で体を作ってきた。勿論、研修生時代からバーベル、アレイを使って筋力トレーニングはしたが、毎日、30分から1時間と小刻みな筋肉鍛練であった。
毎日やる事がゴルフトレーニングの基本と思う。毎日やれば筋力に柔軟性はつく。2日、3日に1度のトレーニングでは柔軟性が弱まる筈。
塾生には機械トレーニングは求めない。今、彼等の体を機械で作ってはいけない。中学生迄は年齢の作りに任せた方がいい。
私は塾生に柔軟体操を求めるだけ。ラジオ体操だけで充分。あとは関節のストレッチ体操のみ。
確かに私の体は昭和22年生まれの中では大きい方です。身長178センチ、体重85キロ。手袋サイズ27センチ、靴サイズ28.5センチ。この体、10年前のプロゴルフ界では並の上だった。今は並の並。でも、並の並でも14本のクラブ練度で勝負は出来る。
機械トレーニングを必要とする年齢は15歳過ぎてからでいい。子供は筋力を振りの中で作りゆく。振りの時期はゴルフの財産。感性は体に宿る。それも振りの時期で芽生える。振りの型がしっかりしていないのに、筋力トレーニングに入るのは愚。
心技体が何であるのかを知らねば指導は難しい。私は塾生の体のバランスと心のバランスを知りたいと思う。技は時間が教えてくれる。
私の腕は太い。23年間、球を叩いてきた太さだろう。楽しく叩いてこれた23年間である。生まれ変わっても、私はプロゴルファーでありたい。
貴兄は素振りを1日300回はすべきだ。勿論、練習場での練習とは別のメニューですぞ。半年間、1日も欠かさずにやった後、そこで筋力トレーニングを考えればよろしい。
今はその時期ではない。スウィングを固めなさい。スウィング固まらずして、何のトレーニングか。今は自転車に乗るか、走るかだけを勧める。
周防灘には、山、多い。私は自転車で山道を走った。冬の日、10時間、走り続けたこともある。
プロは1日中、ゴルフ三昧の時が過ごせる。だから、10時間も走ることが出来た。その幸せがプロの幸せと思ってやってきた。
「あんたには何の幸せがあるか?」と問われたら「ゴルフ馬鹿で死ねる幸せ」と答える。私は職場運に恵まれてきた。上司運、先輩運も良い。その良き運を周防灘の弟子、塾生に継いでゆきたい。
私は研修生をひっぱたくし、塾生もひっぱたく。俺を越えろ、俺の運を奪ってゆけ、と思いながらたたく。たたく時って、悲しいよ。皆、可愛い。みんな可愛い。
人間のやれることって、本当に限られてるものだ。限られてることを出来るか、否かで夢の大きさは変わってくるし、環境も変わる。
夢の影は誰でもが持つ。影の濃さは濃い程、幸せと思う。私は幸せです。夢の影は濃くなっている。
貴兄は300回の素振りをやりなさい。貴兄の夢の影、濃く残ること、祈る。
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