仕事のプロになりたい
私は自動車のセールスマンを始めて3年になるサラリーマンです。車は好きだし、いろいろな人と出会えるこの仕事、決して嫌いではありません。しかし、売り上げはいつもイマイチ。「おまえもそろそろプロにならないと・・」と先輩にハッパをかけられている毎日です。そこで、ゴルフ、物書きと2つもプロの分野を持つ塾長に、プロになるための秘訣を教わりたいと手紙を書きました。プロになるには、どうしたらいいのでしょう。
(東京都・26歳)
気持ちを伸び切らせるな
プロを意識しない。だからプロになれる。
プロを意識する。プロにはなれない。
練習が楽しいから練習する。だから練習量も練習の工夫も生じて上手くなって行く。
練習を苦しいと思いながら練習したとしよう。量は増えないし、工夫も生まれない。そうゆうものだ。
1日の練習球数1000球、打てる人がいたとする。その人が練習ノルマを1000球としたって、上達はしない。1000球に潰される。
ノルマを300球とすればよい。1000球打てる人が300球打つのは簡単だ。物足りないだろう。
301球から先に遊び心が生じる。遊びがあれば、それなりの独創的工夫も出て来る。気がつけば、1000球を楽しい気持ちで打ち終えている。
ノルマ1000球は惰性と戦う1000球。ノルマ300球は愉快に打ち終える1000球。この違い、大きな差になって行く。
能力を伸ばすには、気持ちを伸び切らしちゃいけない。10分の3がいい。10分の10、求める姿勢は机上の論。阿呆の論だ。
貴兄はノルマに潰されそうだ。プロ意識にも潰されそう。
出来る者は遊ぶよ。出来ない者は遊べない。遊ぶってのは余裕。余裕は工夫を生む。車のハンドルだって、どこかに遊び処があるじゃないですか。それが安全を生むのでしょう。
阿呆なる私はゴルフにおいてプロ意識を持った。成功しなかった。生涯ナイジェリアの1勝だけ。
物書きでは昔も今もプロ意識ゼロ。賢くなってた訳ではないが、運が教えてくれたプロ意識ゼロと思ってる。
プロ意識持って書く程、暇じゃない。意識持つってのは暇なんです。
貴兄は自動車セールスマンのプロになりたいと言う。だったら、プロ意識を蹴っ飛ばしちまえ! そんなもん、何の役にも立たない。
そこから始めた方がよい。プロ意識で300ヤード、飛ばせはしない。相手を倒せもしない。ビッグヒットも生まれない。
自然態がいちばん。プロ意識なんて厄介なもの、捨てちまえ!
車も買って頂くには、どうすればよいか、を考えるべきだ。その単純なる思考が、結果としてプロと言われる技量を作って行く様に思う。
プロ意識捨てちまえ。
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