なぜ東京に塾を作らない?
塾長こんにちは。塾長のジュニア塾生たちの活躍をうかがうたびに、なぜ東京にはジュニア塾を作らないのかな、と疑問に思います。もし東京にあれば、6歳の娘を入塾させたいと思うのですが・・・。また塾長は弟子をとるということはないのでしょうか。
(東京都・40歳)
東京では夢が育たない
ジュニア塾を作る上においての優先順位を述べる。
一は練習場
二にゴルフ場
三に指導者
この3つが揃えば、何の問題もなく簡単に出来る。
日本にも多くのジュニア塾は作られて来た。消えた塾もあれば、存続する塾もある。存続する塾、細々と生きている。3本の柱の内、ひとつ欠ければ消える。
これ迄のジュニア塾の柱は親の経済力が支えて来た。ジュニアゴルファー育成を誰かが商売にして来たのです。金が遠のけば必然、柱は消えるジュニア塾であった。
金持つ者の意見が通る塾である。親の我儘ばかりが跋扈し、長続きはしなかった。
我儘領分にはジェラシーが姿を見せる。親のジェラシーだ。これが厄介。予期せぬ方向へ突っ走り出す。
塾生全員が下手な時はいい。ジェラシーなんて醜いもの、顔を出しはしない。技量に差が生じる時は来る。皆、同じ進歩なんてこと、あり得ない。待ってましたとばかり、ジェラシーが登場する。
子供は敏感である。自分の親がジェラシーを抱き始めたと感じた時、自分もジェラシーを持ち始める。子は親からジェラシーを受け継ぐ。ジェラシー強まれば、子供の中でイジメが発生する。
過去のジュニア塾生はジェラシーへの対処を間違えた。それで組織が弱まり消えて行った。ジュニア塾を商売にしてはいけない。商売にしなければ協力してくれる組織はあるのです。
坂田塾は4つ。平成5年開塾の熊本、平成6年開塾の札幌、平成8年開塾の周防灘と福岡。選手総数96名。コーチ11名。練習場16。ゴルフコースは8コース。総て、無料。1円の金も動いていない組織です。
1年に30名が新入生として入って来る。塾は大きくなって行く。地元の協力意識は強い。練習環境維持への不安はない。
利害関係ゼロゆえに、人は協力してくれる。利が浮かべば、人は背を向ける。本当に有難いことと思う。
熊本塾の事務局はテレビ熊本内にある。年間400万円の事務経費を黙って差し出している。札幌はニュー真駒内ゴルフセンター。周防灘は周防灘CC。福岡はテレビ西日本内に事務局を置いた。
地元の放送、新聞メディア、経済界、そしてゴルフ練習場、ゴルフコースの協力で作りしジュニア塾。
親に口出しはさせない。1円の金も出させないかわりに、口も手も出させない。親は黙って、練習場、ゴルフ場の送り迎えだけをすりゃいい。他は不要。望みもしない。ジェラシーの湧きだす要因を潰したんだから、柱、崩れる心配はない。塾生、塾を商売にしてはいけないのです。
今、日本ゴルフ界の将来は坂田塾次第とゆわれている。才能、熱き子も、才能、温かき子もいる。熱き才能は温かき者を引っ張って行く。玉石、共に在れば、それぞれが己の領分の輝き様を知る。
ゴルフも高校迄は団体でやるべきスポーツだ。本来、個人競技ではあるが、子供は団体で体技心を琢磨すべきと思う。個人でやれば、団体でやるよりも伸びない。総てが伸びない。特に、心の伸びが極端に悪くなる。我儘なる心が強くなって行く。
大学ゴルフ部出身のプロが言った
「大学では何も学びませんでした。メリット、ゼロです。大学ゴルフ部に行くよりは、高校出てプロ目指した方がいいですよ」と。
その者、世間も人間も分かっていない。少なくとも私よりは分かっていない。先輩、同僚、後輩、そしてゴルフ部の歴史から教わることは多い。その辺りが分かっていない。
貴女は東京の坂田塾開始を希望されている。3本の柱があれば開塾可能。でも、東京では無理でしょう。ひとり、1日500球。10人の子に黙って球を打たせる様な練習場があるとは思えない。ゴルフコース、然り。理解者が集うコースでなければ、夕刻、9ホールのラウンドを開放してはくれまい。
貴女はジュニア指導を商売としている練習場を探しなさい。東京は私の夢の発芽する場所ではない。
弟子はジュニア塾生、周防灘研修生、そして長男雅樹とジュニア塾のコーチだけ。娘さんの弟子入りを希望されても、指導の場がなければ師弟関係とはならぬ。
東京にはない。お許しあれ。
※ 編集部注 ジュニア塾は1999年現在、全国5カ所で開かれています。
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