当然、逃げの一手
来る、来る、原稿催促の電話が!
当然、逃げの一手。ホテル交換には伝えてある。男性からの電話、新聞社、出版社の電話は一切取り継がないでくれ、と。
どのようにお断りしますか、と交換嬢が問うて来たので、坂田は外出中、とゆう事にして貰った。
大変ですネ、と同情された。いい女だ、この熊本の老舗のホテルの交換嬢。
本稿書いてる最中、リリーンと鳴った。女性からの電話が入っている、とゆう。天地真理と名乗る人。受けた。やっぱりネ。某週刊誌のアバタ面野郎がその編集部の女性に電話をさせていた。
「坂田さんの逃げの知恵は見えてますよ。観念して早く机に向かって下さい。しかし相変わらず単純な知恵を使ってますネ」
「クソッタレ! 頭さ来る男だな。今、ダイジェストの野生塾書いてんだ。野生塾が終わったらすぐに書く」
「逃げないでしょうネ。逃げても探し出しますからネ」
「逃げん。俺は税務署と女と締切りからは逃げん男だ」
「逃げてるじゃないですか」
「今日は特別だ。体調が悪い」
「どう悪いんです」
「原稿催促の声に過敏アレルギー症」
「では天地真理の声はどうでした?」
「今のは誰だ? 可愛いのか? 年齢は?」
「好み次第です。年齢は30歳の上、50歳の下」
「サイナラ。俺、休養必要」
「駄目です。早く書いて下さいッ!!」
12月は年末進行とゆう、1年に1度の集中入稿の時期。3週間で5週分を書くのだから無理は生じる。
現在、週連載10本。本来、30本書けばいいところに50本書かにゃならんのだから参る。
また、電話。女性からだ、とゆう。今度は誰だ? 松田聖子か?
「古手川祐子さんからです」
やっぱりネ、漫画雑誌担当編集者からの督促だった。電話交換嬢、私を何者と思っているのだろう。天地真理に古手川祐子と来た。
次は誰だ!? 電話が鳴る。ああ、12月は穴にもぐりたいような月。
今日12月9日。本稿、熊本にて書く。現在時、午前11時丁度。午後2時より熊本財界人との懇親会。夕方6時より熊本ジュニア塾生と、その親とのミーティング。8時から新聞と雑誌2社の取材が待つ。
明日は福岡で講演会。翌11日は函館、12日は札幌での講演会。そして13日、札幌ジュニア塾生を引き連れて福岡へ移動し、14日昼の福岡発JAL便でタイへ向かう。
第3次タイ合宿。参加人数は熊本、福岡、札幌塾合わせて42名。帰国は1月9日の予定。
体調良好。
「ハイ、坂田です」
「松阪慶子様からお電話です」
コンチクショ~ッ!!
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