素振りの方法
前略、塾長殿。現在の不況で私も友人もゴルフの回数が減ってしまいました。どんなことがあっても、ゴルフは止めたくないのです。そのため毎日素振りは欠かさずやっています。素振りのやり方ですが、クラブ2本を持って、ドローイメージ、フェードイメージのそれぞれの軌道を50回やっています。このままの素振り方法で大丈夫ですか。もし、他に良い方法がありましたら教えて下さい。
(東京都・35歳)
理論に通じる好機です
素振りは型とスピード。貴兄が如何なる型で素振りしているのかが分からない。ここ3年、私はフルスウィング型での素振りはしていない。左腕地面に平行のトップ、右腕地面に平行のフィニッシュとなるショートスウィング型で素振りする。
素振りの時、私はショートスウィングトップ位置での左肩と左腰の回転差をチェックする。何に注意を向けるかで素振りの効能は変わるものだ。フルスウィング型の目一杯の振りは体全体の動きを見るに適す。欠点を捜すに適した素振りである。
ショートスウィングは上体と下半身の捻転差と型を見るに適す。それに、ゆっくりとしたスピードを加えてやれば体重移動を見る事が出来る。ショートスウィングの素振りは長所と短所の両方を見る事の出来る効能を持つ。
貴兄のクラブ2本を持った素振りが何を意図したものかを知りたい。スウィング型と筋肉に負荷を与え、丈夫な型と筋肉作りを目指すのであれば、クラブ2本の素振りよりもバット素振りのほうがよい。
重い程いいと考え、鉄棒で素振りする人がいる。鉄棒では駄目でしょう。風を起せる道具で素振りしなけりゃ、型の良し悪しは分からない。球を打ってりゃ、飛んでく方向、飛距離、球筋、球質、インパクト感触等でスウィングの良し悪しは分かる。でも、素振りではスウィングの起す風の音がスウィングを見る眼となって行く。
ささやかな風の音で十分。風、起きればスウィングは見える。鉄棒を水平に振れば風は起きます。しかし、ゴルフスウィングした時、鉄棒で風を起すのは難しい。振り回されて起きた風では、スウィング見る眼とはなり得ない。
クラブ2本の素振りをするのであれば、両の手に1本づつ持ったほうがよい。そして、素振りして行く。アドレス時の肩幅に合わせて構えます。宮本武蔵の二刀流構えに似せればよいでしょう。両の手のクラブ間隔が開きもせず閉じもしない素振りをやってみて下さい。体の動きの一貫性、バランスの良さを確かめるにも、作るにもこの素振りは適す。
不況時、ゴルフ練習場、ゴルフ場通いの機会は減りましょう。こうゆう時こそ、理論を考え、上達手段を考える時と思う。物事は明るい方向へと考えて行きたい。今は理論に通じる機会の持てる時。貴兄にとっては幸運の時だ、文面では分からない部分、多過ぎる。
今一度の連絡を乞う。
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