スコアのばらつき
私のここ1カ月のラウンドスコアは84、105、113、92。いい時と悪い時の差に開きがあります。いい時は当然、ショット、パットともに好調。悪い時はすべてに狂いが生じます。安定して80台とはいいませんが、いつも90台前半、ボギーペースで回れれば・・・と思うのですが・・。ゴルフを始めて16年、スコアにばらつきがでないゴルフをするための練習法、ラウンド感覚などをご教授下さい。
(山口県・41歳)
まず「根」を作ることです
ゴルフ上達最善の方法、それは得意とするクラブ1本を持つ事。得意なクラブは上達の根を作る。その根は伸びて行く。
6アイアンを得意とした時、6アイアン前後のクラブは使い易くなるものだ。根は根を作り、練習する程に根は伸びて行く様になる。この考え、間違ってはいないと思う。
貴兄のゴルフには上達の根が見えない。16年のゴルフ歴で70台が出せないのは根が無いからだ。根があれば3年で70台には達し得る。
根を作るべきです。得意とするクラブを作ればよい。私は6アイアンを薦める。
6アイアンは根を最も迅速に伸ばして行くクラブである。何故ならば、ロフトもシャフトの長さもドライバーから、サンドウェッジ迄の13本の中で中間に位置するクラブだからです。ゴルフは中央の位置の制覇を目指す競技と考える。
例えを出す。グリーンの大きさは大体に於いて縦横共30メートル迄でしょう。30メートル以上の広さを持つ例外もあるが、この場合の例外は除外させて頂く。例外に眼線を向けると事は複雑になって行くばかりでしょう。
ピンをグリーンの端には切らない。エッジから5メートルの距離は保つ。となると、30メートルの縦と横の大きさであってもピンの立つのは実質20メートル以内となる筈。前後、そして左右5メートルで合計10メートルの範囲内はピンの立たない地域。
グリーン狙うショット、常にグリーン中央を狙ったとしよう。そして、グリーン中央にボールは止まった。パッティング距離はどんなに長くとも10メートル迄となる。
ピンを攻めるというが、真の攻めはピン方向ではない。グリーン中央である。どのグリーンに於いてもグリーン中央から10メートル以上のパッティング距離はないのです。
確率から申せばグリーン中央位置が最もピンに近くなる。グリーン中央を狙い、ボールが曲がってもグリーンのどこかに止まっている。
私はジュニア塾生に教えて来た。攻めるとはグリーン中央を狙う事であり、グリーン中央を狙えるショット技術を身につける事だ、と。そして、10メートル以上のパッティング練習は不要とも教えて来た。
攻める事をピンデッドに狙う事と勘違いする子供がいた。残念ながら勘違いしている者は勘違いに気付く迄、上手くはならなかった。
ゴルフは1ショットの積み重ねである。一気の奇跡は期待すべきじゃない。期待させる様な教え方は危険だ。奇跡を期待させた時、忍耐が消え、我が儘が子供の心の中に蔓延して行く。
ゴルフは忍耐を教える。1ショットの積み重ねで18ホールのスコアが作られて行く事を体で知り、技で知り、心で知るのがゴルフゲームと思う。
坂田塾塾生の場合、女の子の方が忍耐強い。雨の時も風の時も忍耐強く1ショットに執着して行く性分の者が多く集まった。
結果は女の子から出た。女の子はグリーン中央を狙い、勝利数を増やして行った。塾生の中で最もグリーン中央を狙って来るのは高校2年(注)の古閑美保である。男連中はピンを狙う。狙ってグリーンを外したり、10メートル以上の長いパッティング距離を残していたりしている。
グリーン中央を制し10メートル以内のパッティングを正確に打つのがゴルフの基本と思う。そのためには得意とするクラブを作るべきです。そして根を伸ばして行けばよい。中央位置だ。
クラブは6アイアンが中央の位置にいる。貴兄は6アイアンを打て。ショートスウィングで打て。10メートル以内のパッティング練習をせよ。10メートルを30分、1メートルを30分すればよい。他の距離は不要。パッティングも得意の距離を持つべきです。
貴兄の気持ちの中に奇跡を信じる気配ある様に感じる。ある日、突然の奇跡を信じての16年ではなかったか。捨てよ、その気持ち。ゴルフの場合、生むよりは捨てる方が簡単でしょう。簡単なことから始めた方がよい。
捨てて、得意なクラブを生む努力に入って欲しい。根を伸ばして行くべきだ。まずは、6アイアン---。
注 高校2年生
執筆当時の状況です。現在はツアー参戦を開始しています。
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