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3パットがなくならない
1ラウンドすれば、3パットを1度や2度してしまうのはよくあることと思うのですが、私のゴルフはほとんどが3パットです。ファーストパットが長い距離でなくてもカップに寄らず、そこから2パット。4パットはほとんどないのですが、3パットしてしまうのです。ゴルフを始めて4年。ベストスコア97。ゆっくりストロークしろといわれても、パチンとしか打てません。塾長、3パットしない方法を教えてください。
（神奈川県・38歳）
100冊の本より巧者の一言を
パッティングは悟りと無明の間を行ったり来たりする領域。悟りて悩み、悩んで悟り、その繰り返しの中で溜息だけが伴侶となる領分であろう。
私自身、ドライバーからサンドウェッジ迄の指導には自信あるが、パッティングだけは全く分かっていない。20年間、スライスに悩みし方を5分でフック打ちにする事は出来ます。勿論、その逆も出来るが、パッティングだけは分からない。
朝、パッティングはこれだ！と想いてラウンドし、夜、悩みの中で揺れている己の情けない日々、23年。
研修生時代、パッティングをなめ切っていた。ドライバーとパッティングではドライバーの方が難しいと思っていたし、練習量もパッティングよりはショットの方が多かった。
助言してくれた方がいた。プロで食うならパッティング練習に精を出せ、と。若き私は反論した。ショットが不正確だからパッティングへの比重が高まるのだと。ショットが正確ならばパッティングへの比重は高くならない筈だと。私はロングホールは2オンさせ、ミドルホールとショートホールは1メートルにつけるパッティング不要のゴルフを目指す、と言い切った。呆れた表情でその助言された方は私に背を向けた。
私は徹底的に7アイアンの練習をした。アイアンが打てる様になればドライバーもサンドウェッジも同じスウィングで打てるものと信じている。この部分に於いては間違いではなかった。私は簡単にプロテストに通り、簡単にツアー参戦出来た。
有言の責任を取れるのは練習量のみだと思う。私は有言の者を好む。そして練習する者を好む。有言者にして練習せぬ者は無責任者。その者が成功する事はあるまい。研修生時代の私は有言にして練習量多き者であった。
その後がいけない。練習量が減った。原因は色々あるがプロテスト合格して3カ月後のムチ打ち症が一因となったのは確かなる事。アドレス時の首筋の角度が狂った。球を多く叩けぬ様にもなった。叩けば気持ち悪くなり、胃の中のものを吐き出していた。有言出来る勢いが消え、黙するままの若者になって行った。
人それぞれの生き様の姿勢なれど、私は若者の有言を好む。優しい眼線が若者を育てると言うが、確かに優しい眼線は世間に必要だと思う。人の意見や言葉に叩かれ慣れ、刺され慣れするのは30歳過ぎてからの事でしょう。
今、優しい眼線を必要とする時代ではあるまいか。有言する若者を優しい眼線で眺める事の出来る大人が減って来ている様にも思う。
私は恵まれていた。優しい眼線持つ方の中でゴルフが出来た。有言できぬ様になり、私は埋もれていった。そして埋もれた。眼の輝いている者は有言して来る。己の将来を語って来る。立派だと思う。
今、私にとって最も難しきはパッティング、グリーン上だ。今年の全米オープンと全英オープン、練習グリーン横にヘバリ付き、出場者のパッティング練習を眺め続けました。コースへ出て行くよりは練習グリーン横にいる時間の方が多かった。
分かった部分がある。分からぬままの部分もある。分からぬ部分が分かっただけでも少しは分かって来たのか、の想いもする。浮気亀の進みよりも遅き歩みなれど、前に進んでりゃ状況も変わる。鈍亀、右を眺め、左を眺め、上を眺め、地面を眺めて一歩を歩む、の状況でしょう。
私から貴兄にアドバイス出来る事はない。貴兄の近くにパッティング巧者の方がおられよう。その方に教えを乞うのがベストだと思う。レッスン書から受ける100の言葉より、眼の前の方が発する一の言葉に貴兄を導く何かがある筈だ。
貴兄の眼の前の一言を信じればよい。何かを信じた時からゴルフは上達して行く。貴兄は一言を信じよ。パッティング巧者に問え。然れば貴兄のパッティングも変わり行くだろう。
編集部注
執筆当時のスケジュールです。現在の予定ではありません。
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