とにかく振り回せ?
ゴルフを始めたばかりで、いろんな人から教えてもらうのですが「始めてすぐは当たらなくてもいいから、とにかく振り回せ」と一様に口を揃えていわれるだけ。本当にそれだけでいいのですか。飛ばないし、全然当たりません。始めてすぐでも、もっと具体的に教えてもらいたいのですが・・。
(千葉県・27歳)
あまりに古すぎる教え方です
理論は進化し、理論実践の方法も進化して来た。過去、実践方法や経験論を理論と勘違いし、実践方法は経験論の先走り傾向の時はあった。
まずアメリカがその誤ちに気が付き、次にヨーロッパゴルフ界が誤ちに気付いた。日本とアジアの対応は遅れた。15年は間違いなく遅れた。
理論の伝達は信号待ちの車の列に似る。信号が赤から青に変わる。信号が変わった時に列の先頭の車はすぐに動きだせる。だが、後部車両は前の車が動かなければ動けない。長き列になれば2度、3度の信号の変化でやっと交差点を突っ切ることができよう。
同じことが理論にも言える。交差点の先頭の車はプロゴルファーである。その後にトップアマが続く。彼等は新しき理論とその理論実践方法を早く知り、接する事が出来た。
交差点とはトーナメントであった。欧米のトッププロが日本を訪れ、日本のプロは彼等の技術、スウィングを盗んだ。しかし、残念ながら技術、スウィングは盗んでも欧米プロの考え方も盗めなかった事実が残る。それが今日の欧米と日本との縮まらぬ差の原因となっている。
盗むのであれば体・技・心、総てを盗むべきであった。それは可能であった。ただ、日本が盗んだ欧米の考え方は布に過ぎぬ。着て歩ける服にはなっていない。
欧米の考えを盗み、その考えを身にまとう最善の方法は欧米ツアーで戦う事だと思う。欧米ツアーで戦い、日本で盗んだ布を己の体に合う様に縫製していけば己の服にはなる。
日本ゴルフ界は飛距離、方向性、球質、スコアという結果ばかりに眼を向け、結果を生み出す理論と理論実践方法に一顧だにしなかった。欧米のスウィングに眼線は向けたが、そのスウィングを作ってきた理論に眼線を向けなかった。大きな怠りであった。
この10年で交差点は広くなった。進入道路を進み行く道路幅も広くなった。先頭の車ばかりが受ける享受の時代は終わった。理論は信号機の赤・黄・緑の信号表示板。赤で突っ込んで行けば事故が起きる。緑の信号の時、進んで行くのがスムーズなる上達の方法。
貴兄が教わりし事は赤信号理論。ドヒャーッと驚かされる話です。赤信号に向かって突っ込んで行っちゃいけません。典型的な過去踏襲論、経験論。そして理論知らずの理論語りの教え方ですね。
スウィング作りの基本はスウィング弧を作る事より始まる。無茶振り、球叩き慣れを目的とした教えは基本100年前の教えである。欧米では50年前に姿を消した教え方だが、日本にはまだ残っていたのか? だとすれば貴兄は運が悪い。ゴルフは難しいものと標榜する教え方にブチ当たっている。
誰でもハンディ10にはなれる。ゴルフが難しくなるのはハンディ5から先だ。貴兄はショートスウィングをせよ。6アイアンを持ち、ティアップされた球を打て。左腕地面平行のトップ、右腕地面平行のフィニッシュで球を打て。ドローボールが出る。100ヤード飛んで行く。
振り回すばかりじゃ、いいスウィングは出来ません。理想のスウィング弧を作りに行けばよい。その弧を生むスウィングを身につける事だ。貴兄はショートスウィングに徹せよ。
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