〔メルマガ 23号〕
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逆転劇のファルドシリーズ
12/21に発売した週刊ゴルフダイジェストで、ファルドシリーズ日本大会の様子をレポートしています。ご覧いただけましたか? 既報のとおり、3月2日に始まるファルドシリーズアジアには、日本大会5カテゴリーの優勝者が進みます。 男子21歳以下 勝俣 陵 男子18歳以下 吉田 歩生 男子16歳以下 高橋 宝将 女子21歳以下 蛭田みな美 女子16歳以下 畑岡 奈紗 加えて工藤優海が、ヨーロッパのファルドシリーズ総合優勝の資格でアジアへ。

▲ニック・ファルド直筆サインの招待状が各選手に渡された
【CONTENTS】
1.期待の186センチ砲
2.みんなゴルフに鍛えられている
3.16歳以下では「小学生VS高校生」
CONTENTS.1
「意地で60台出してきました」
|吉田歩生、7打差逆転。
|デッカイ高校生が
|母親を抱きしめた(未確認)

11月28日まで3日間の競技を行ったファルドシリーズ日本大会。クラブハウス周りが最も沸いたのは、吉田歩生くんの7打差逆転優勝決定のときでした。 寒い雨の初日76、寒い風の2日目78。地味~に叩いていました。最終日、優勝争いをするグループがいわゆる表街道のアウトスタートだったのに対し、吉田くんは裏街道。そういうわけでカメラマンへの撮影指示もなし。出だしの10番パー5もセカンドを5番アイアンで打てたというのに、バーディが取れなかった。
しかしそこから快進撃。ほとんどのホールでワンピンに付け、66で上がってきたのです。「切り替えて集中した」と本人。夏のゴルフダイジェストジュニアカップでも、最終日前半、「気合で」(本人)32のラウンドをし混戦を演出した1人でした。じゃあ最初から集中すればいいのに……というのは外野の勝手で、そうはうまくいかないのがゴルフですよね。
しかし彼は何か持っている。夏に行われたフジサンケイジュニアドラコン日本一決定戦でも359ヤードを記録し2位。決めるところは決める選手らしい。地味~に叩いてしまうところがちょびっと叩く程度になり、覚醒するのを待ちましょう。
さてファルドシリーズ開催地・静ヒルズCCクラブハウス前。 アテストの様子を見ていた仲間が飛び出してきて「……優勝だよ!」。「マジ? うぅぅ……やったー!」(吉田)。そんな力で叩かれたら絶対痛いよ、というくらいの力強いハイタッチをそこら中の選手たちと。牽制しあったのか75としてしまった最終組の吉田隼人くん(大学生)が「やめてくれる? そういうの」と笑いながら祝福。現場には「7打差逆転て、ありえるんだな」と改めて認識する空気が……。教育的効果もバッチリですね。吉田歩生くん、語りました。
「高校最後の試合です。やりましたぁ。中1でトミーアカデミーに入り、言わば育ったコースです。中嶋常幸さんに会えてよかった。何より、親が観ている前で優勝できるだなんて。いつも送り迎えしてくれて(もう目がショボショボして泣く体勢)。この姿を見せることができて、もう!」
あそこにお母さんいるね。抱きしめてきなよ、と言うと 「はい! そうします!」 細くなった目から、ちょっぴりチビッたはずです(後輩にもイジられていた)。 186センチの大型プレーヤー18歳。ファルドシリーズアジア大会での大暴れ、期待しています。

▲スウィングの写真は今夏ゴルフダイジェストジャパンジュニアカップにて撮影 (15~17歳の部、4位タイ)
CONTENTS.2
68で回った裏話
|ピンまで届く番手で
|打ち続けた
|勝負のラウンド
優勝者たちと話すと、高校生であることを忘れさせるような発言に出会います。 ファルドシリーズ日本大会女子21歳以下の部チャンピオン・蛭田みな美さんは、2日間のプレーを78、77とし、出遅れていました。最終日はチャージをかけ、68で逆転。あえて、どうしたらこの展開でそんなスコアが出せるの? という聞き方をしてみました。
「今日は全部、ピンまで届くクラブで打ちました」(蛭田)
真剣にゴルフと立ち向かっている選手の皆さんだけが、彼女の緊張感マックスのプレーを真に理解できるのでしょう。ほとんどの一般大人ゴルファーは、残念ながら感覚共有しきれません。パットが入るポジションを狙い、それがピンに届かない番手で打たれている場合があることや、攻めと守りが同居したマネジメントなど、競技の外の世界では知られていないからです。勝負モードで18ホールを闘いきったコメントだと深読みしたとき、さすが実力者と拍手するほかありません(2014年日本女子アマチャンピオン、2015日本ジュニアチャンピオン)。むしろプロたちこそ、こんなゴルフを全員でやってくれよ、と望みたくなります。 やはり68で5打差を逆転した高橋宝将くん(男子16歳以下の部)のコメントにも、鍛えられてきた様子が滲んでいました。
「勝つためには68が必要だと思っていました。首位とのスコア差が縮まっていくのはもちろん見えていたけれど、自分が68で回ることに集中しました」(高橋)
成功体験を重ねてきて得た方程式があるんですね。他の分野にも優秀な子はいます。しかし多くの高校生は、こんなに哲学的ではありません。ゴルフ、効いてます。

▲ファルドシリーズアジアに3年続けて参戦となる蛭田みな美
CONTENTS.3
小学6年VS高校2年
|でも数年後には
|カテゴリー分けなしの
|世界でゴルフする
小学6年生の関口絵万さんは「エッ!?」と思ったそうです。初日の自分のスコア93。見慣れない大きな数字に戸惑いながらアテストしたのでした。 ファルドシリーズは日本の学校制度とは発想が違うカテゴリー分け。16歳以下の部に小学生も含まれ、同クラスで優勝したのは、実力者・畑岡奈紗さん。高校2年生。6026ヤードのコース設定は、高校女子には短めだけれど、ふだんの小学女子の設定に比べたら、だいぶ長いのです。 「パー4のセカンドショットで5ウッドを使って50ヤード残っちゃうとか……」(関口)
5600ヤードを75~80で回っている子にとって、毎ホール1打ずつ多いスコアはショックでしょう。また最近の小学生競技はキャディがつくのが通例のところ、手引きカートというのも初めての経験。2日目を86でフィニッシュしたのは、相当な頑張りではありませんか。同じ組の中学生を「飛ばすし、崩しても挽回してくる」と評していたけど、そもそも飛距離は、成長に伴い急に伸びます。父親がドライバーの飛距離ですら歯が立たなくなるXデーも、もうすぐ。本人は悩む必要がなく、親からすれば悩ましい思春期への入り口です。
花田華梨さん(小6)の様子も、興味深いものがありました。 素晴らしいショットを連発。けれども飛距離がちょっと足りない。2日間を82、84。「いつ以来の80台だろう……」とのことです(お母さんによれば6年生になってから80を打っていない)。しかし20位で3日目に進出すると、最後は79。なんとか70台で回ろうという想いを果たしたのでした(最終成績17位タイ)。
同組の中学3年生・木村朱夢さんに様子を聞いたところ、「小学生はワイワイゴルフするイメージがあるけど、あの子はストイックだし、すごく上手い。3つ下の子と回っている気がしません」と。一方で、3つ上の先輩と競技する機会がない花田さんは「ものすごく緊張しています」と、自分からはあまり話しかけられない様子で、可愛らしさマックスだったのであります。
しかし、もしかして特別にシャイ? 試合後、カットラインをくぐり抜けて3日目に進んだ小学生2人ということで、小林大河くん(最終成績11位)と一緒に写真に収まってもらいました。すると……花田さんの上体は、小林くんから遠ざかるように傾くのです。もうちょっと近づいてみようね、とふと肩に触れると力が入っていました。小林くんも十分に照れくさそうで、悪い大人の企みは見事に完結したのですが、想像をはるかに超えるシャイボーイ、シャイガール。ごめんね、無理言って。
ちなみに2人は、このファルドシリーズ日本大会直前、丸山茂樹ジュニアファンデーションゴルフ大会(第10回記念大会・小学校5年・6年生の部)で揃って優勝した実力者です。

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■周知が行き届いていなさそうな小学生大会などジュニア競技の情報があったら、ぜひ教えてください。また記事を読んで「そういえばあの話!」とひらめいたら、どしどしメールを。 jrcupmag@golf-digest.co.jpまで!
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