新しいヤマハのRMXドライバーは、
藤田寛之プロの「自分に合ったヘッドとシャフトで最大飛距離をつくる」というコンセプトのもとに開発されたクラブ。
ゴルフクラブアナリストのマーク金井と“ゴルフBAKA”イラストレーターこと野村タケオさんが、
自分がもっとも飛ばせる組み合わせを見つけるべく、最新ヘッドとシャフトを打ちまくり!
その結果をランキングでご紹介します。どんな組み合わせになったのか、皆さんの組み合わせ選びの参考になるはずです。
- まーくかない●
- ゴルフクラブアナリストとして、最新クラブの性能分析や試打レビューを多岐にわたるメディアで展開中。東京の神田にあるゴルフスタジオ「アナライズ」主宰。持ち球はドロー。スピン量は少なめ。今回は上級者代表としてだけでなく、RMXドライバーの性能検証も行う。
- のむらたけお●
- ゴルフ好きが高じて、ゴルフ関連のイラストを多く手掛けるようになった自称「ゴルフBAKA イラストレーター」。今回はアマチュアゴルファー代表として試打にチャレンジ。持ち球は、よく言えばハイフェード。スピン量が多すぎて飛ばせない典型的なスライサー。
ヤマハのRMXドライバーは、ヘッドとシャフトを単体で購入できるのが特徴のクラブ。2016年の最新モデルには、ヘッドが2タイプ、シャフトが4種類用意されていて、本当に自分に合う組み合わせを見つけて購入することができる。自分が遠くへまっすぐに飛ばせるような、ヘッドとシャフトの組み合わせを見つけることが大切になる。
今回、マーク金井さんと野村タケオさんが試打するのは、2タイプのヘッドと4種類のシャフトを組み合わせた計8通りの組み合わせ。弾道計測器トラックマンを使って、スピン系のコースボールで試打を試みた。果たして、その結果は?
マーク金井のコメント
ボクは、インサイド・アウトでクラブを振る典型的なフッカーです。216のヘッドだと球がつかまりすぎるので、ヘッドは116のほうが扱いやすくて、持ち球のドローで飛ばせました。フッカーにはスピン量が少ないタイプが多いのですが、ボクもそのひとり。ロフトが9.5度だとスピンが少なすぎて、球がドロップしてしまう。10.5度のヘッドを使うことで、飛ばしに最適な打ち出し角が得られました。
KURO KAGE XMは、手元がしなって切り返しのタイミングがとりやすいシャフト。ほんの少し先端が動きますが、クセがなくて扱いやすいタイプです。EVOLUTION IIも、同じようにシャフト挙動がニュートラル。平均飛距離を上げてくれるシャフトです。3位にランクインしたのは、ヘッドのロフトを9.5度にした組み合わせ。低スピンの低弾道が打てる、アゲインストの風でも飛ばせる仕様としては使えますね。
野村タケオのコメント
216のヘッドは、シャローで大きく見えて、構えたときにはヘッドをターンさせづらそうな気がするんですよね。けれど、打ってみてビックリ!実際にはめちゃめちゃ球がよくつかまって、右に曲がりづらかったです。ボクのスライスの度合いが、いつもの1/3以下に収まってくれました。ボクは、もともとフェースが開いて当たりやすくて、そのために打ち出し角が高くなり、スピン量も多くなって、飛ばせないタイプ。打ち出し角を抑えるために、ロフトは間違いなく9.5度が良かったです。シャフトは、Speeder EVOLUTION IIがドンピシャにハマりました。強い球でダントツに飛ばせましたからね。いろいろ試してこの1番飛ぶ組合せを見つけたら、結局57ヤードも伸びましたからね。組み合わせだけで、こんなに変わるとは驚きです!!!
2位にランクインしたのは、116のヘッドです。ヘッドのシャープな見た目や打感がボクの好み。216よりも弾道が抑えられるのも魅力的でしたね。でも、フィーリング的にも球をつかまえて飛ばしやすいのは、やはり216のヘッドのほうでした。
マーク金井のコメント
最大飛距離を得られる組み合わせと、安定した弾道を打てる組み合わせは、似ているけれど少し異なります。弾道安定性とは、ミートのしやすさのこと。これはヘッドの挙動とシャフトのしなり具合と、自分のスイングのタイミングが合うかどうかで決まります。
Speeder EVOLUTION IIは、前作のSpeeder EVOLUTIONよりもシャフトのしなり戻りに適度な遊びがあるのが特徴。そのためにミートしやすいモデルです。KURO KAGE XMは、前作のKURO KAGE XTよりもかなり振り心地がマイルドになっています。ヘッドスピードがそれほど速くないゴルファーでも、打ちやすさを感じられるシャフトです。
マーク金井のコメント
野村さんが試打しているのを見ていて、もっとも弾道が安定していたのがRMX216とFUBUKI Aiの組み合わせでした。野村さんは、アウトサイド・インの軌道でクラブを振る典型的なスライサー。FUBUKI Aiを使ったときに安定した弾道が打てるのは、シャフトのおかげでヘッドがインサイドから降りてきやすくなるからです。
スライサーのなかには、上からヘッドを急激に降ろしても打ち負けないような硬めのシャフトを好む人がいます。野村さんもその一人ですが、軟らかめのしなりを感じやすいシャフトを使ったほうが、実はスライサーは安定した弾道を打つことができます。なぜなら、しなりを感じられると、上半身でヘッドを打ち下ろそうとせずに、クラブが自然に降りてくるのを待つことができるからです。KURO KAGE XMも、しなり感がマイルドなシャフトです。こういったチョイスをすれば、大きく右へ飛ばすミスはなくなるでしょう。
マーク金井のコメント
左へのミスを嫌うフッカー向けの組み合わせです。116は現代のドライバーの中では重心距離が短くヘッドをターンさせやすいモデルですが、重心距離が短いという事は操作性が良いということなので、ゴルファーがコントロールしやすいヘッドと言えます。上級者が操作してドロー・フェードを打ち分けることも可能です。絶対に引っ掛けたくないゴルファーなら、ロフトは9.5度がベター。致命的な左へのミスショットを打つよりは、多少は球が右にフケてもいいと考えたうえでのチョイスです。
KURO KAGE XM を選んだのは、クセのないしなり感が持ち味のシャフトだからです。TourAD GP は、バネ性が強いシャフトですが、手元のしなりを感じやすく、抑えた球を打ちやすいモデルです。どちらを選ぶかは、ゴルファーのフィーリングでいいでしょう。
マーク金井のコメント
球をつかまえたいなら、ヘッドをターンさせやすい216をチョイス。ロフトが少ないと球がフェース面上で滑ってしまうので、ロフトは10.5度をオススメします。
覚えておいてほしいのは、スライサーが硬めのシャフトを使うとアウトサイド・インのスイング軌道が助長されてしまうこと。FUBUKI Aiは切り返しでしなりを感じやすいシャフト。打ち急ぎがなくなって、スイング軌道を修正してくれます。Speeder EVOLUTION IIは、ヘッド性能をいかしてくれるシャフト。KURO KAGE XM は、前作のKURO KAGE XT よりは球をつかまえやすいシャフトです。
ヘッド体積は445cc。ヘッドシェイプは綺麗な洋なし型です。大きすぎず、小さすぎず、上級者が構えやすさを感じられるヤマハらしいヘッド形状です。
性能面でもっとも特徴的なのは、現代の大型ヘッドのドライバーのなかではヘッド体積に対して重心距離が34mmと短いところ。ヘッドをターンさせやすく、とても操作性がいいのが長所です。
藤田プロのように、自分の思い通りに球筋を操りたいゴルファーには、とても扱いやすく感じられるでしょう。また、216と比べると、表示ロフトに対してのリアルロフトが少なめ。低スピンの抑えた弾道を打ちやすいのも特徴です。
従来モデルでいうとヤマハのDシリーズ、前作の「RMX 02」の後継機種に該当するモデルです。ヘッド体積は460cc。投影面積が大きくてシャロー。ドライバーが苦手なゴルファーでも構えたときに「うまく打てそう」「上がりやすそう」な安心感が得られるヘッド形状です。
一般的に460ccのドライバーだと、ヘッドの重心距離は38〜40mmになるのですが、216はヤマハの技術力によって32mmという市販モデルでもトップクラスの短い重心距離を達成しています。これによってオートマチックにヘッドをターンさせやすく、スライサーがドローを打ちやすいのが最大の特長です。正直、フッカーには球がつかまりすぎてしまいますが、スライスに悩んでいるゴルファーが使うと、右曲がりが抑えられて飛距離アップを狙えます。116と同じロフト設定でも、216のほうが球も上がりやすくなっています。