ヘッド体積、クラブ長さ、反発係数のすべてがルールぎりぎり。飛距離性能を徹底的に追及し、発売から5年が経過した現在でも、アマチュアからツアープロまで愛用者の多い超飛距離ドライバー、フォーティーン『CT-112』。その後継モデルとなる、進化した超飛距離ドライバー、フォーティーン『DT-112』が誕生した。圧倒的な飛距離性能と打ちやすさを兼ね備えた前モデルをはるかに凌ぐ、超飛距離ドライバーに仕上がったこのモデルを、金谷多一郎プロが徹底試打。さらには前作の『CT-112』と打ち比べ、飛距離性能を徹底検証した。
構えた印象
まずアドレスで構えたときの印象ですが、新モデルの『DT-112』はヘッドの仕上げがディープネイビーのマット仕上げ(艶消し)になり、前モデルよりもさらに精悍さが増していますね。ヘッド体積はルールぎりぎりの460㎤ですが、とても引き締まった美しい顔つきで大きさを感じさせず、しっかり叩いて飛ばせるイメージが沸きます。前モデルから引き継がれている、ヘッド後部を高くした“ハイバック・デザイン”のヘッド形状も、目標に対してスクェアに構えやすく、アドレスした瞬間からスムーズなスイングを予感させてくれます。
ボール初速の速さ
実際にボールを打ってみると、とにかくその初速の速さに驚かされます。インパクト後にショットの行方を目で追ったとき、自分のイメージよりもはるか先までボールが到達しているんです。さらに私が好印象を持ったのは、フェースに食いつくような打感の良さです。飛距離性能に特化した高反発のドライバーというと、フェースの弾きがいい反面、球離れが早すぎて、無秩序に飛んでしまいがちですが、『DT-112』はインパクトの球持ちがよく、心地よい感触が手に残ります。それでいてボールはもの凄い勢いで飛び出していく。靭性にすぐれた新素材チタン「LD433+チタン」を使用したマルチ薄肉フェースと重量配分を最適化した精密鋳造ボディによる新開発の超機能ヘッドが、高反発力はルールぎりぎりで適合しながら、インパクト時のボール初速はそれ以上にアップさせることを可能にしているのです。
撃心
そしてもうひとつ、『DT-112』ドライバーの圧倒的な飛距離を生み出しているのが、フォーティーン独自の“撃心”設計です。ドライバーの場合、フェースのセンターでボールをとらえるよりも、やや外側の上目で打つともっとも効率よく飛ばせる理想的な弾道になると言われていますが、それには意図的に外して当てるという複雑な作業が要求され、一般のアマチュアには難易度が高い。その点、『DT-112』ドライバーはゴルファーがヘッドを構えたときに、「ここで打ちたい」と感じるフェースの位置に、この“撃心”が設定されています。余計な細工をしなくても、クラブを構えたなりに振るだけで、自然と“撃心”に当て、飛ばすことができるんです。実際、私が何球か続けて打ってみても、打ち出しの高い強弾道で気持ちよくより遠くへ飛んでいきました。
シャフト
『DT-112』ドライバーには47インチ(R&A測定法では47.75インチ)のルールぎりぎりの長尺シャフト『MD-350ZD V2カーボンシャフト』が標準で装着されています。実際に振ってみるとスイング中の挙動がとても素直で安定していて、クラブの長さをまったく忘れてしまうぐらい、シャープに振り抜いていけます。普通、ここまでの長尺になると、どうしても振り遅れやすいのですが、ダウンスイングからインパクトでシャフトが気持ちよくしなり戻って、しっかりボールをつかまえてくれるんです。一瞬、右に抜けたかなと思っても、ボールにドロー回転がかかって、フェアウェイに戻ってきてくれる。さすが、“長尺ドライバーの先駆者”といえるフォーティーンが、長尺専用に設計開発したハイパフォーマンスシャフトとあって、その開発技術力の高さをひしひしと感じました。
新モデル『DT-112』と前モデル『CT-112』との飛距離性能比較
いまでも愛用者が多い前モデルの『CT-112』と新モデル『DT-112』をそれぞれ3球ずつ打ち、どのくらいボール初速がアップしているのか、飛行距離性能がアップしているのかを、弾道測定器のデータで検証しました。どちらもヘッドスピード(以下、HS)は一般男性の平均に近い約45m/s(長尺ドライバーを振った場合)で打ってみましたが、HSは同じなのに新モデルの『DT-112』は、前モデルの『CT-112』に比べて、ボール初速が約2m/sほどアップしました。一般的に初速が1m/sアップすると5~7ヤード飛距離が伸びるといわれています。実際に打った感触、飛び様を見ても、新モデル『DT-112』は確実に飛距離性能がアップしていることを実感できましたし、弾道測定器のデータでも実証されました。
CT-112 | DT-112 | |
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ヘッドスピード(m/s) | 44.9 | 44.9 |
ボール初速(m/s) | 62.6 | 64.8 |
飛距離(yard) | 263 | 274 |
総論
「いまよりもっと、1ヤードでも遠くへ飛ばしたい」。これはすべてのゴルファーの共通の願いです。今回、フォーティーンの新しい超飛距離ドライバー『DT-112』を様々な側面から検証してみましたが、「ルール適合ドライバーの飛びの限界を突き破る」という開発コンセプトどおりの、圧倒的な飛距離性能の高さを体感することができました。前モデルの『CT-112』を愛用しているゴルファーが、新モデルの『DT-112』にスイッチしても違和感はまったくなく、ボール初速がアップして、飛距離アップすることと思います。もちろん、これまで「長尺ドライバーは苦手」といって敬遠していた人でもその振りやすさはこれまでのスイングを変えることなく、ヘッドスピードアップをかなえてくれるので、さらに飛距離アップが期待できます。この『DT-112』なら、きっと今以上もっと遠くへ飛ばすことを可能にしてくれると思います。
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ヘッド :フェース/LD433+チタン ボディ/811チタン(精密鋳造)
シャフト:MD-350ZD V2カーボンシャフト(S/55g ・SR/50g ・R/45g)
*TS-カーボンシャフト〔*受注生産)
ロフト | 9° | 10.5° | ||||
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ライ | 59.5° | |||||
MD-350ZD V2 カーボンシャフト |
クラブ長さ(inch) | 47 | 46.5 | 47 | 46.5 | |
クラブ重さ (バランス) |
S | 301g(D7) | 300g(D5) | 301g(D7) | 300g(D5) | |
SR | 296g(D6.5) | 295g(D4.5) | 296g(D6.5) | 295g(D4.5) | R | 291g(D6) | 290g(D4) | 291g(D6) | 290g(D4) | TS-カーボンシャフト | クラブ長さ(inch) | 45.5 |
*10月8日発売