プロや上級者の評価が高い本間ゴルフから「TW757シリーズ」が発売された。究極の高初速性能を目指して開発された2モデルのドライバーは、多くのアマチュアにとっても目が離せない。果たしてその飛距離性能は? クラブフィッティングに精通する甲斐哲平氏が、自身による試打検証と2人のアマチュアゴルファーにフィッティングを行った。よりやさしく進化したというアイアン3モデルの性能にも迫る。
15年間務めたシャフトメーカーを2019年に退社。独立後はその豊富な知識を生かし、GDOマッチングラボでフィッターを務めるなど、ゴルフ業界で多岐にわたる活躍を見せている。ゴルフ歴27年、ベストスコア69。
シャフト | ヘッドスピード (m/s) |
ボール初速 (m/s) |
ミート率 | スピン量 (rpm) |
スピン軸の傾き | キャリー (yd) |
総飛距離 (yd) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
TYPE-D | VIZARD for TW757(S) |
46.9 | 68.5 | 1.46 | 2257 | 左6.2° | 244.6 | 275.8 |
TYPE-S | VIZARD for TW757(S) |
47.2 | 69.9 | 1.48 | 1911 | 左0.3° | 240.8 | 279.3 |
「TW757 TYPE-S」はハードヒッターが飛ばしにいけるクラブという印象です。ただ、私自身がハンドファーストにインパクトするタイプなのでボールが上がり切らないこともありました。アッパーに打てる人には飛ばせるクラブだと思います。そのあたりも含めて、私に合っていたのはドローバイアス設計の「TW757 TYPE-D」でした。ノーマルの状態ではつかまり過ぎたので、「アジャスタブルウエイト」を入れ替えてトウ寄りを重くして調整しました。プロや上級者向けのモデルですが、スライサー、特にスピン量が多くてボールが高く上がり過ぎるアマチュアにも勧められるクラブです。2モデルに共通しているのは、やはり打ち出しのスピード感。これがカーボンスロットの効果なんでしょうね。
モデル | フレックス | 全長 (mm) |
シャフト重量 (g) |
トルク (°) |
調子 (キックポイント) |
---|---|---|---|---|---|
VIZARD for TW757 50 |
R | 1150 | 51.5 | 4.95 | 中調子 |
S | 54.5 | 4.85 | |||
VIZARD MA5 | R | 53.5 | 4.70 | 先中調子 | |
S | 56.5 | 4.60 | |||
VIZARD MA6 | SR | 63.0 | 4.00 | ||
S | 64.5 | 3.95 | |||
X | 67.5 | 3.85 | |||
VIZARD MP5 | R | 54.0 | 4.75 | 手元調子 | |
S | 57.0 | 4.65 | |||
VIZARD MP6 | SR | 64.5 | 4.05 | ||
S | 66.0 | 4.00 | |||
X | 69.0 | 3.90 | |||
VIZARD FZ5 | R | 1160 | 53.5 | 4.85 | |
SR | 55.0 | 4.80 | |||
S | 56.5 | 4.75 | |||
VIZARD FZ6 | SR | 63.5 | 3.90 | ||
S | 65.0 | 3.85 | |||
X | 68.0 | 3.75 |
シャフト | ヘッドスピード (m/s) |
ボール初速 (m/s) |
ミート率 | スピン量 (rpm) |
スピン軸の 傾き |
キャリー (yd) |
総飛距離 (yd) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
TYPE-D | VIZARD for TW757(S) |
45.8 | 67.7 | 1.48 | 2589 | 左1.9° | 242.9 | 258.5 |
TYPE-S | VIZARD for TW757(S) |
46.1 | 66.6 | 1.44 | 2993 | 右4.9° | 240.6 | 254.4 |
どちらのモデルも打感が軟らかく感じられて私の好みでした。見た目は「TW757 TYPE-D」の方が、ボールが上がってくれそうな雰囲気があって安心感があります。実際に打ってみても「TW757 TYPE-D」の方が合っているようで良かったです。普段使っているクラブよりも安定して初速が出ているので、フィッティング通りのクラブをコースで打ってみたいです。
シャフト | ヘッドスピード (m/s) |
ボール初速 (m/s) |
ミート率 | スピン量 (rpm) |
スピン軸の 傾き |
キャリー (yd) |
総飛距離 (yd) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Type-D | VIZARD MP 6(S) |
46.1 | 67.7 | 1.47 | 2162 | 左6.2° | 248.8 | 270.8 |
シャフト | ヘッドスピード (m/s) |
ボール初速 (m/s) |
ミート率 | スピン量 (rpm) |
スピン軸の 傾き |
キャリー (yd) |
総飛距離 (yd) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
TYPE-D | VIZARD for TW757(S) |
42.3 | 62.9 | 1.49 | 2036 | 左13.6° | 227.3 | 253.7 |
TYPE-S | VIZARD for TW757(S) |
41.6 | 61.5 | 1.48 | 1917 | 右4.0° | 227.7 | 248.1 |
形状的に好みとのことで「TW757 TYPE-S」を中心にフィッティングしました。ヘッド形状でスイングが変わってしまうこともあるので、好みも大事な要素です。普段は70グラム台のXシャフトをお使いということでしたが、実際に70グラム台を試すとヘッドスピードがやや落ちていました。使い慣れた硬めのシャフトで重量は60グラム台とし、つかまり過ぎを防ぐという意味で「VIZARD MP 6X」が一番合っていました。打球の方向性が安定し、振りやすくなった分、標準シャフトよりもヘッドスピードが上がっていますね。
ディープフェースが好きなので「TW757 TYPE-D」のようなクラブは打ってこなかったのですが、そんなことは気にせずに振ればいい球が出るんだ、ということがよく分かりました。それでも見た目は「TW757 TYPE-S」の方が好きですね。弾きが良く、初速が出ているからなのか、打感は私が普段使っているクラブよりも硬く感じました。ボールの違いかもしれないので、そこは改めて試してみたいと思っています。
シャフト | ヘッドスピード (m/s) |
ボール初速 (m/s) |
ミート率 | スピン量 (rpm) |
スピン軸の 傾き |
キャリー (yd) |
総飛距離 (yd) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Type-S | VIZARD MP 6(X) |
43.3 | 63.5 | 1.47 | 1757 | 左1.8° | 231.0 | 258.5 |
もう無理かなと思っていたマッスルバックをもう一度バッグに入れてみたくなった――。これが試打を終えての率直な感想です。内部に樹脂パーツが入っていることで中空アイアンっぽい感じがあるのかなと思っていましたが、打感を含めて正真正銘のマッスルバック。操作性の高さに加え、直進性とやさしさを併せ持っています。機能性はもちろんですが、形状、仕上げともに美しく、日本のクラブ、HONMAのクラブの素晴らしさを感じさせてくれます。もう一度マッスルバックを使いたい方や、使ったことがない方の入門モデルとしても勧められるクラブです。
契約女子プロの多くが使用するモデルということで、オーソドックスなバランスの良さを感じました。ロフトは7番で30度と立っていますが、適正なロフトピッチなのは好印象。最近のクラブはロフトピッチが広がる傾向があって、番手間の距離が広がり、使いづらさを感じていたのですが、さすがに本格的なプロモデルです。しっかりスピンが入ったアイアンらしい球筋を出せるのも特徴でしょう。プロモデルなので、決して初心者向けではありませんが、アドレスで感じられるやさしさがあり、実際に直進性が非常に高いので、アマチュアでもかなり幅広い層が使えると思います。
とにかくよく飛ぶアイアンです。7番でほぼ200yd出ていたので、28.5度というロフト設定以上に飛距離が出ていると感じました。飛距離不足を補いたい方が手にするケースが多いとは思いますが、飛距離には困っていない上級者にも使うメリットはあると思います。200ydを6番、あるいは7番で打てれば、精神的な余裕はかなり大きいはず。飛び系アイアンは食わず嫌いという上級者にも一度は試してもらいたいですね。
3モデルに共通するコンセプトはあるのでしょうか?
トウ側にタングステンウエイトを配し、重心距離を伸ばすことで、直進性能を強化した点は共通しています。『TW757 B』『TW757 P』についてはビス型のウエイトとして、見た目からもこれまでと違い、やさしさを感じられるデザインを採用しました。
契約の女子プロは『TW757 Vx』を使用する選手がほとんどですか?
女子ツアーは年々、コースの難度が上がっていて、アイアンにも飛距離が欲しいという声が多くなっているので『TW757 P』を選ぶ選手もいます。
『TW757 P』は確かに飛びますね。『TW757 Vx』と比べると、ロフト差以上に飛んでいたと思うのですが、理由はどのあたりにあるのでしょう?
『TW757 P』は17-4PLUS(ステンレス)、『TW757 Vx』はS20C(軟鉄)と素材が違う点も飛距離の差につながっていると思います。ボールがフェースに乗る感覚など、素材の差は打感にも影響があります。
打感という意味ではやはりマッスルバックの『TW757 B』が優れていますし、それぞれに特徴のある3モデルですね。
テスト段階ではさまざまなバージョンを試しましたが、最終的にはこの3モデルですべてのターゲットをカバーできると判断しました。ぜひ多くの方に手に取って試していただきたいと思っています。
ミスの傾向がスライスということで「TW757 TYPE-D」を提案しました。ただし、村山さんはクラブパスがインサイドアウトで本来はドローヒッター。スライスは左へのミスを嫌がってフェースを開いてしまった結果だと思います。そこで「アジャスタブルウエイト」はトウ側を重くし、シャフトは手元調子の「VIZARD MP 6S」という、しっかり振ってつかまえにいけるセッティングが合うと判断しました。フィッティング前と比べてバックスピン量が抑えられ、飛距離も10yd以上伸びています。