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2024年に創業65周年を迎えた日本シャフト。
8月30日には、ユーザーへの感謝を伝える記念イベント「N.S.OPEN」(ザ・カントリークラブ・ジャパン、千葉)を開催。
また、同イベントの参加者から選抜された6人が11月4日の
「N.S.INVITATIONAL」(レイクウッドゴルフクラブ、神奈川)に招待された。
同社契約プロのカリー・ウェブ、池田勇太、藤田さいきという豪華メンバーも来場したイベントの様子をリポートする。

N.S.OPEN

台風の悪天候も吹き飛ばす幸運ゴルファー

GDOの日本シャフト特設サイトで告知されたN.S.OPENには30人の募集に対し、500人以上のエントリーがある盛況ぶり。ただ、イベント当日は台風の影響による悪天候が予想され、中止や縮小も懸念された。

しかし、さすがは20倍近い倍率をくぐり抜けてきた幸運の持ち主たち。早朝からの強い雨は徐々に弱まり、屋内で行われたクラブコーディネーター・鹿又芳典さんのトークショーの間に回復傾向に。午前中のフィッティング、午後のハーフラウンドはほぼ予定通りのスケジュールで行われた。

当日集まった24人は、年齢、性別、腕前はさまざまだが、日本シャフトを愛用する熱心なアマチュアゴルファーだというのが共通点。一番遠く長野から駆け付けた坂井久喜さんは「前日の夕方に開催するという連絡があったので、千葉まで移動して一泊しました。フィッティングしてもらったウェッジのシャフトが良かったので、リシャフトを検討したいと思っています」。長旅の疲れも吹っ飛んだ様子でイベントを満喫していた。

70周年、80周年に向けた試験的イベント

イベントを見守った日本シャフトの松田真人代表取締役社長は「65周年という長きに渡って、われわれのシャフトを多くのゴルファーに愛用していただき、『N.S.PROシリーズ』の『neo(ネオ)』と『MODUS³(モーダス)』、さらにはカーボンの『Regio Formula(レジオ フォーミュラ)』、『VULCANUS(バルカヌス)』といったブランドを認知していただいたこのタイミングで、これから迎える70周年、80周年に向けて何かできないかと考えたのが今回のイベントです」。全国で随時開催されている試打会に加え、今回のイベントで集まったゴルファーの声も今後の製品開発にも生かしていくという。

さて、N.S.OPENにはもうひとつ、大事な役割があった。後日開催されるN.S.INVITATIONALに参加する6人の選出だ。当初はニアピンなどで決定する予定だったが、台風の影響でラウンドをキャンセルする人が出る可能性を考慮し、全員を抽選で決定。ただでさえ20分の1の壁を乗り越えてきた幸運な24人から選ばれた、さらに幸運な6人は驚きの表情や満面の笑みで喜びを表現していた。

N.S.INVITATIONAL

プロとラウンドできる一生一度の経験

N.S.INVITATIONALは一転して、絶好のゴルフ日和の中での開催となった。ラウンドはアマ2人、プロ1人の3サム。プロは途中で組を移動するため、参加した6人はウェブ、池田、藤田というメンバー全員と6ホールずつプレーできる。

女性2人、同じ組で回った安川良子さんと森山麻衣さんは「18ホール、プロと回れるとは思っていなかったのでビックリ。一生に一度のすごい経験になりました」と声をそろえた。また、同じ千葉出身で池田のファンだという江澤博己さんは「近寄り難い印象で、緊張もあったのですが、最初にプロからティイングエリアで『真後ろから見た方が球筋を追えるでしょ』と声を掛けてもらえたので、その後はリラックスして楽しめました」。プロの方から積極的に声を掛け、アドバイスを送ったことで、それぞれの6ホールがより貴重な時間になったようだ。

契約プロが信頼を寄せるシャフト

ウェブはこのイベントのために来日。池田、藤田もツアーの合間を縫っての参加と、ここには日本シャフトと契約プロとの信頼や絆が伺える。

20年以上に渡り日本シャフトを愛用するウェブは「65周年はお祝いすべきこと。日本シャフトはすべての層のゴルファーに助けとなる製品をラインアップしているので、私がこれから年齢を重ね、ヘッドスピードが落ちても、クオリティーの高いシャフトが使えるということは自信になります」とその信頼を表現した。

前日まで「TOTOジャパンクラシック」で優勝争いを演じていた藤田は「私、(優勝して)アメリカに行けちゃうと思ってプレーしていました」と笑顔でイベント会場に姿を見せた。本格的に日本シャフトを使用するようになって5年、契約選手となって2年。「65年で蓄えられた技術が詰まったシャフトを使えることは光栄です。日本シャフトを使うようになって、本当にイメージした通りのショットが出るようになって、安心してプレーできるようになりました」。近年のさらなる活躍ぶりは誰もが知るところだろう。

MODUS³の先駆者も「自然と戻ってきた」

池田もジュニア時代から日本シャフトとともに成長してきた。「自分がジュニアのころは軽量のスチールと言えばN.S.しかなかった時代ですから。大学生になって、他のシャフトを使った時期もありましたが、自然と日本シャフトに戻ってきました。長年使っているので、信頼感を超えた安心感がありますね」。池田はMODUS³シリーズを男子ツアーで使い始めた先駆者でもある。

これだけのイベントが次にいつ行われるのか? 今回参加できなかった多くのゴルファーは5年後の70周年に期待するところだろう。これからもツアープロからアマチュアまでさまざまなゴルファーの求めるシャフトがリリースされていくはず。65周年を機に新たなスタートを切る日本シャフトに、さらなる注目が集まるのは間違いない。