ドライバーと同じ振り心地をフェアウェイウッドに求めるなら、フェアウェイウッドに装着するシャフトはドライバーと同じモデルにしておくのが基本です。ただし、フェアウェイウッドは地面にあるボールを打つクラブ。特にロフトが少なくてシャフトが長い3番ウッドは、14本のクラブセットのなかで打ちこなすのがもっとも難しいクラブになります。
いかに3番ウッドをうまく打てるシャフトを選ぶか。それがフェウェイウッドのシャフト選びのキモです。ヘッドスピードが45m/sに満たないゴルファーであれば、シャフトに手助けしてもらって、飛ばすために最適な打ち出し角が得られて、適度な球のつかまりが得られるシャフトを選ぶべきです。
一般的にフェアウェイウッドに装着するシャフト重量は、ドライバーよりも重めがいいと言われています。フェアウェイウッドはドライバーよりもシャフトが短いため、ヘッド重量とともにシャフト重量もフローさせたほうが、ドライバーと同じ振り心地を得やすくなり、安定性も高められるからです。これは男子プロのようなパワーのあるゴルファーにはあてはまりますが、すべてのゴルファーに適しているわけではないことも知っておいてください。
あまりヘッドスピードが速くないゴルファーの場合は、フェアウェイウッドにもドライバーと同じ重量のシャフトを装着したほうが振りやすく感じられ、ヘッドスピードを上げて飛ばしやすくなります。これは女子プロに多いシャフト重量セッティングです。ドライバーとフェアウェイウッドのシャフト重量のフローは、ゴルファーのパワーによって変わってきます。
もともとPGAツアーで支給されて、多くのプロから高い評価を得たプロトタイプのシャフトを、そのまま市場に投入したのがKURO KAGE XTです。
中間から手元がしなるタイプで、切り返しのタイミングを取りやすいのはDiamana Rと同じですが、こちらは先端剛性が高いのが特徴になっています。ドライバーで叩いても左へのミスが出づらく、フケ上がりのない低スピンの強弾道で飛ばすことができます。
フェアウェイウッドに装着しても、先端が硬いシャフトのメリットを享受できます。例えば、ラフに沈んでいるような悪いライにある球に打ち込んでいっても、決して当たり負けしません。KURO KAGE XTは、インパクトでしっかり打ち込んで強い球を打ちたいゴルファーには、とても頼りになるでしょう。
Diamana Rは、昨年度から男子/女子ツアーでの使用率が高いシャフトです。その理由は、クセのないしなり感と振りやすさを備えながら、現代的なドライバーやフェアウェイウッドのヘッド性能に、このシャフト性能がとてもマッチしているからです。
最新モデルのヘッドは、浅重心化と低スピン化によって球を飛ばしやすくなっていますが、そのトレードオフとして、球をつかまえづらく、上げづらくなっています。
Diamana Rは、切り返しでは手元がしなってタイミングが取りやすいシャフトでありながら、インパクト付近では先端部がしなり戻ることで、球のつかまりを向上し、打ち出し角を上げてくれます。ドライバーでもフェアウェイウッドでも、もう少しつかまってほしい、もう少し高弾道を打ちたいと願うゴルファーには、プロやアマを問わずに最適なのです。中間部分の剛性が高いために抜群に弾きが良く、飛距離アップを期待できるのも大きな魅力です。
アイアンやフェアウェイウッドは問題ないのに、ドライバーだけが右に飛び出してしまうのが悩みでした。Diamama Rが装着されたドライバーだと、それほど先端が走る感じはしないのに、球をつかまえやすく、直進性の強いボールが打てました。
ワッグルすると柔らかそうに感じるシャフトですが、振ってみるとしっかり感があって、フィニッシュまで気持ちよく振り抜けます。フェアウェイウッドは70グラム台だと重すぎるかと思いましたが、振ってみるとそうでもありません。安定感が増しました。
吉永さんは、インパクトでパチンとヘッドをボールにぶつけていくスイングの持ち主です。ドライバーだけ球をつかまえづらかったのは、ドライバーはシャフトが長くて振り遅れてしまっていたから。球のつかまりを補助してくれるDiamana Rは、そんな吉永さんには好相性でした。
吉永さんのようなインパクト重視のゴルファーは、少し重めのシャフトを装着したほうが、クラブ自体の重さを利用して飛ばせます。3番ウッド以下のクラブは、70グラム台のほうがいいでしょう。Diamana Rのおかげで、フェアウェイウッドでも強いパワーフェードで飛ばせていましたね。
ドライバーでもフェアウェイウッドでも、持ち球である高弾道のフェードを打ちたいと思っています。いちばん嫌なのは、左へまっすぐ飛んでしまうミスです。
今回初めてKURO KAGE XTを打ったのですが、しっかり打ち込んでいけるイメージのシャフトですね。コントロールがしやすくて、引っ掛けのミスが出づらいところが気に入りました。バックスピン量が少なくなって、ドライバーは今までより飛んでいましたね。フェアウェイウッドでも、今までより強い球が打てました。
もともと球の高さが十分に出せる田島さんには、飛距離と安定性を高められるKURO KAGE XTがベストマッチでした。ヘッドスピードだけで考えると70グラム台のシャフトでもいいのですが、スイングテンポが速い田島さんの場合は、少し軽めのシャフトのほうがタイミング良くクラブを振り切れます。ドライバーと3番ウッドは、60グラム台のほうがいいでしょう。
5番ウッドだけを70グラム台にしたのは、ロフトがあって球がつかまりやすいので、左へのミスを軽減するためと、さらに安定感を増すためです。この5番ウッドなら、ピンまで200ヤード以上あっても抑えた弾道でラインを出して狙っていけると思いますよ。
球をつかまえるために、自分のドライバーではヘッドを戻すようにスイングしていたのですが、Diamana Rが装着されたドライバーでは、そんな必要がありませんでした。スイングに同調するようにシャフトが動いてくれて、ナチュラルに球がつかまってくれます。強い球で、飛距離も伸びていて驚きました。
フェアウェイウッドはもともと苦手なクラブなのですが、Diamana Rを装着したモデルなら気持ちよくフィニッシュまで振り抜けて、球も上がってくれます。これならコースでも自信を持ってフェアウェイウッドを握れそうです。シャフトでこんなに変わるとは思いませんでした。
Diamana Rはアスリート向けのシャフトだと思われがちですが、50グラム台もラインナップされているので、酒井さんのヘッドスピードでも難なく使うことができます。SRのフレックスをチョイスすれば、ゆったりしたスイングでもしなり感が得やすく、なおかつ復元力の強いシャフト特性のおかげで、球をつかまえながらボール初速をアップさせて飛距離アップを狙えます。
比較的ゆったりとクラブを振るゴルファーであれば、女子プロのようにフェアウェイウッドのシャフト重量はドライバーと同じにしておくと、振り抜きやすさが増して、飛ばしやすくなります。
撮影協力:ジャパンゴルフスクール
数値計測:「弾道解析機 GC2」「NEW RED EYES POCKET」