Vol.01Diamana TB

新開発素材が可能にした振り心地の統一感!

Date:2020.08.21

2020年9月、三菱ケミカルからフラッグシップブランド『Diamana』の次世代のモデル、『TB』が発売される。
気になったのは“次世代”というキーワード。いったいなにが次世代なのか?三菱ケミカルによれば、最新クラブトレンドを踏まえて、高重量・大慣性モーメントヘッドを最適なインパクト条件に導き、さらに、やさしさ=ミスヒットへの寛容性をあわせ持つシャフトへの進化を意味しているとのこと。
要は大慣性モーメントの大型ヘッドに対応するシャフトということだろう。そこで今回は『TB』に採用された素材に着目し、素材に関する次世代とはどういうものなのかを掘り下げていきたいと思う。

まず理解しておいて欲しいのは『TB』が伝統・王道の『Diamana BLUE』、いわゆる青マナの後継であること。『Diamana』のBLUEと言えば手元の剛性の高さが代名詞で、癖のないシャフトの挙動は海外の選手からも高い支持を得た。その後もBシリーズやBFなどアスリートゴルファー御用達のシャフトとして確固たる地位を築いてきた。だからこそ『TB』の性能がどのように進化したのかが気になる。『TB』の特徴は40g台から80g台という幅広い重量帯を揃えながら、一貫したフィーリングを実現していることと、それを可能にしたマテリアルが最大の魅力と言える。その秘密はどうやら素材に隠されているらしい。

ご存知のようにシャフトはカーボン素材のシートを巻いてできているが、『TB』では新素材樹脂「371レジン」を採用している。レジン?と頭をかしげる人もいるかもしれないが、レジンとはカーボン素材をシート状にする際に必要になる樹脂素材で、わかりやすく言えば接着剤の役割をするもの。カーボンシャフトにとっては非常に重要な部分だ。
それを三菱ケミカルは今回のシャフト開発とタイミングをあわせて新開発したわけ。この時点でかなりのコストをかけて開発されたシャフトであることが想像できる。そもそも新素材樹脂を開発すること自体がかなり大変なことで、航空宇宙産業などの部品を開発しているという会社的なバックボーンがあるからこそ実現できたことだと言える。
また、日本で唯一、原料からの開発・一貫生産を可能にしているシャフトメーカーの優位性が次世代シャフト『TB』を生み出したと言っても過言ではない。
新素材樹脂「371レジン」と「MR70」のコンビネーションで繊維が持つポテンシャルを最大限に引き出すことに成功したのが『TB』ということだ。
「MR70」とは三菱ケミカルが誇る高性能炭素繊維で、製造プロセスから見直して従来難しかった弾性率と強度の両立を実現しているわけだが、新素材の開発や繊維が持つポテンシャルを最大限に引き出すことなど、なぜそこまでの手間が必要なのか?その理由は前述した「一貫したフィーリング」を実現するために尽きる。

これまでのシャフトの常識といえば重量が変わればフィーリングは少なからず異なるもので、もっと言えばドライバーと同じフィーリングで振ろうとしても、長さが短いフェアウェイウッドやユーティリティでは、それを求めることは非常に困難と言える。鉛を貼ったり、メーカーを変えたり、フレックスを変えるなどして、なんとか対応していたが、その難問を解決すべく開発されたのが『TB』なのだ。
重さや長さが違っても同じフィーリングで振れる。地味な部分ではあるが、本来であれば『良いシャフトの絶対条件』と言える部分。そこにコストと時間をかけて完成させた『TB』はまさに次世代と名乗るべきシャフトではないだろうか。

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