宇田雅史さん(左)
ミズノ グローバルフットウェアプロダクト本部 企画開発部に所属。『VALOUR』の開発を担当。
田口泰則さん(右)
ミズノ グローバルフットウェアプロダクト本部 企画開発部に所属。『VALOUR』の企画を担当。
GDO:ミズノのシューズには、すでに『GENEM』(ジェネム)と『NEXLITE』(ネクスライト)というモデルがありますが、今回の『VALOUR』(ヴァラー)はどういった位置づけのモデルになりますか?
田口:ゴルフクラブと同じように、シューズにもゴルファーの好みがあります。『VALOUR』は、『GENEM』や『NEXLITE』に代わるものではなく、新たなカテゴリーのモデルとして開発したシューズです。従来の2モデルにはなかった新しい部分に注目して開発したモデルです。
宇田:近年、ゴルフシューズは軽量モデルが流行していて、ミズノの『NEXLITE』も軽量性に着眼して開発した商品です。しかしゴルフ経験が長く、底が硬いシューズに慣れ親しんだ人だと、パーツを省いた軽量シューズに頼りなさを感じることがあります。シューズは軽量なほうが疲れづらいのは間違いないのですが、ゴルファーのなかには軽量シューズでは得られない“しっかり感”を求める人が多くいます。
田口:歩きやすくて疲れづらくて、なおかつグリップ力や安定性が高いシューズを作れないか。そういった考えで開発したのが『VALOUR』です。
安定性というと重くて硬い印象を持たれてしまうのですが、『VALOUR』は決してそうではありません。
宇田:開発にあたっては、スイング時や歩行時の足の動きを解析して、どの部分に柔らかさが必要なのか、どの部分を補強すべきなのかを徹底的に調べ上げました。ミズノでは「ダイナモーションフィット」と呼んでいますが、『VALOUR』はアッパーもソールもシューズとして屈曲性が必要な部分は、ちゃんと曲がるように作ってあります。「ヒールカウンター」はカカトのフィット感を高めるため。外に張り出した特徴的なソールは、スイング時の安定性を高めるためのもの。ゴルフというスポーツの動きに合わせてデザイン設計して作り上げたのが『VALOUR』です。
田口:軽さや柔らかさというのは、消費者にも伝わりやすい項目です。しかし、安定性というのは見た目では分かりづらいですよね。ですからゴルファーの皆さんには、ぜひ実際に履いて試してみてほしいです。
宇田:『VALOUR』には細部に至るまで、本当にさまざまな工夫が施してあります。通常のシューズよりも開発に時間が掛かりましたし、私自身、ゴルフが大好きでミズノに入社したぐらいですから、こんなに機能性に優れたゴルフシューズを作り上げられたことに感無量なんです(笑)。できるだけ多くのゴルファーに手に取ってもらって、『VALOUR』の良さを実感していただきたいですね。
「スマートな印象のシューズですが、軽すぎることなく、適度なしっかり感があります。スイングしてみると、スパイクが地面を掴んでいることを実感できて、フィニッシュまでクラブを振り切りやすい。アウトソールは見た目が硬そうですが、実際に履いてみるとソフトです。このシューズなら、歩きのラウンドでも疲れづらそうですね」
「足にフィットして、特にカカト部分がホールドされている感覚。スイングしたときに足が横方向にズレないのがいいですね。とても安定感があります。フィット感に優れているおかげか、自分がいつも履いているシューズより足運びが軽く感じられました。個人的にはホワイトと蛍光色のデザインも気に入りました。コレ買います!(笑)」
「履いた瞬間、自分の足にフィットして馴染んでくれるシューズです。アッパーの人工皮革が軟らかくて、このまますぐにラウンドに出ても何の違和感もなくプレーできそうですね。普段は趣味でバレーボールをやっていてゴルフシューズでもクッション性や屈曲性が気になるのですが、その点でも問題ナシです。歩きやすいし、疲れづらそうです」
「普段はミズノの『GENEM』(ジェネム)の初代モデルを履いているのですが、フィット感には遜色ありません。ワイヤーで締め付け具合を調整するBoaシステムのおかげなのか、足がシューズに包み込まれているような感覚は『VALOUR』のほうが勝っているかな。
次に買い替えるときも『GENEM』にしようと思っていましたが……、『VALOUR』になりそうです」
「このシューズは、カカトのホールド感と安定感がスゴイです。スイングしてみると両足の拇指球の間で体重移動できて、スイング中はスパイク鋲がしっかりと地面を掴んでくれる。そしてフィニッシュでは、左足の裏で体重を受け止められます。手にしたときはソールが硬いのかと思いましたが、実際に履くとしなやか。それも好印象でした」