最初に感じたのは、まず、構えやすい、という点です。輪郭もいいし、ヘッド形状もそんなにディープすぎず、すわりもよく、その人なりのアドレスで楽に構えられるというのが特長のクラブだと感じました。
長尺ドライバーを構えた時、背の高さなどその人の体型によってクラブヘッドのトウが上がったり下がったりします。普通は、このライ角の違いで、ヘッドがかぶったり開いたりすることが多いのですが、このeggbird DRIVERはライ角が変ってもフェースラインは変わらないので、常にターゲットに対してスクエアに構えることができるところもいいと思います。ターゲットに対してスクエアに構えられて、そのスクエアに向いたフェースの向きを意識してちゃんとスイングできますから、ストレスがないというのが構えたときの印象です。バックフェースから見るとバック側にタングステンが入っていますが、昨今のアスリートドライバーの低重心、浅重心ではなく、逆に王道の低重心、深重心のドライバーだと思います。奥行きのあるすわりのいいヘッドなので、フェース面を合わせやすく、軌道に対してオートマティックに真っすぐいいボールを、自然に打っていける感じがします。長尺ドライバーにありがちな振りおくれてスライスしてしまう感じがないので、出球が強く、飛距離アップを望めます。
長尺クラブの場合、スイングの際に意識しないといけないポイントがあります。それは、ボールとの距離です。長尺を感じさせないと言っても、NEW eggbird DRIVERは、R&Aの測定法で測れば47.75インチです。一般のクラブが45.25インチとすると、2.5インチ違うということです。同じドライバーでも2.5インチも長さが違うと、リズムとテンポが同じでも、アドレスは変わらざるをえません。 番手で言うと、ウエッジから5番の違いぐらいでしょうか。ウエッジは前傾して小さく構えますが、5番になると体が起きて手もちょっと遠くなりますよね。同様に、45.25インチと比べると、47.75はもう少し体を起こし、もっと手を遠くに構えないとダメなことは明らかです。つまり、いつものドライバーと同じ前傾角度で、同じ手の位置で構えたのでは、ボールが近過ぎなのでインパクトでつまってしまうのです。そこがいちばんのポイントで、慣れるまでは、2.5インチも長いクラブを持って構えているんだということは常に意識していてください。体を起こして、手を遠くに構えて、大きく離れて構えてあげて、それで同じタイミングで振り下ろせば、振り遅れないで気持ちよく振れます。
クラウンがなく、まさにegg SPOONというデザインですね。上から見ると、クラウンがなくて奥行きがあるので、実際ポンと置いてもソール自身にバンスがあって、正しくいい向きにフェースが向いてすわってくれます。打ってみると、弾き感もあって、軌道に対して直線的に球がストンと飛び出していくので、フェースコントロール云々というよりも、ほんとに打ちたい方向に気持ちよく振り抜いていこうという意識が醸し出されるクラブです。
モーフィング技術で最適なフェース輪郭形状を算出したということですが、高反発エリアが拡大し、反発力も高まっています。相当な低重心で、打ちやすく、距離も出て、ボールも楽に上がります。
打球感は、中空ですが、フェースの厚さを感じるソリッドなものです。音も高音質で響き渡るような音ではなくて、上級者にも好まれるような、ブチッと球を捕まえた音がするので、そのへんはすごくいいと思います。また、グリップがやや太めになっているので、しっかりと緩まないグリップがしやすいと思います。
クラブ性能を十分に引き出すためのアドバイスがあります。それはしっかりと打ち込んでいこうというものです。egg SPOON/FWは、そのすわりや佇まいのよさから、サラッとボールだけを打っていこう考える人もでてくると思いますが、それではこのクラブの性能を十分に引き出しているとは言えません。
egg SPOON/FWで、ターフをとらず芝の葉先を滑るように、払って打とうとすると、薄い当たりになってしまいます。かなり深めにガッツリとボールを捕えようと思ったほうが、ちょうどフェースの重心のいちばんいいところに当たってくれるので、当たり心地や手応えが全然違ってきます。
このクラブはフェアウェイウッドですが、バンスにエッジをきかしてリーティングエッジからしっかり突っ込んでいって、ボールを捕えたほうがいい球が打て、ロフトなりの高弾道の球も自然に出てきます。
ボールをアイアンと同じように最下点でしっかりと打ち抜くぐらいのつもりでいけば、ロフト角15度にしては非常に易しく上がり、ストレートの球筋がでるはずです。
懐かしい形状ですね。当初のeggアイアンは、このNEW egg i+ UTに似た形でした。ですから、従来のeggユーザーの方にとっては、このユーティリティは構えたときの違和感はないと思います。もっとも、新しくeggユーザーになられる方にとっても、今どきのユーティリティのいちばんオーソドックスな形である、シャフトセンターにトップラインがきて、理想的なフェースプログレッションがあるので、しっかり球を捕まえていける感じがすごくすると思います。
打ってみると、フェアウエイウッドよりも、よりフェースが薄い中空感があります。音も高音質で、優しく、キーンという音の中に弾き感があって、打ち出し角度がロフト以上にポンと飛び出す為に飛距が楽にかせげます。ミドルアイアン以上はなかなかいい弾道で高く打てないという人には、このクラブは打ちやすくていいと思いますね。ヘッドスピードがない人でも、ポンと球が上がってくれるので、今まで150ヤード以上、200近くまでの距離がなかなかキャリーで出せなかった人には特におすすめです。
前に、しっかりとリーディングエッジを地面まで届かせるようなショットがegg SPOON/FWには向いていると書きましたが、それはegg i+ UT、egg IRONにも言えることです。どのクラブもリーディングエッジが食い込まないようにエッヂを落としています。深く入ってきていても刺さらないで抜けがいいように作られているのです。少々のラフだったらソール抜けが良いので、やさしく振り抜けますね。しっかりとボールの直径を感じとり、クラブフェースの高さに合わせた打点でボールをとらえるというのがスイングのイメージとして求められます。
このNEW egg IRONは、ソールの幅がややコンパクトになり、ボール・コンタクトのコントロールが進化しています。ダブルカットソールで、リーディングエッジも使いやすくなり、バンスもしっかりきいていて刺さりづらくなっています。後ろにタングステンがあって、重心を深く低くという形でコントロールしている割には、重さが後ろすぎないので、フェース面を自分の打点に合わせて使えるという感じは、いわゆる普通のアイアンのフェースコントロールの振り味で、自然に打っていけます。
ヘッドの反発性能が上がっていますが、同時にヘッドスピードも速くなっており、弾きも向上しています。実際に打ってみても、予想以上に球が上がり、距離が出ました。リーディングエッジをしっかり使えば、オートマチック感のあるやさしい高弾道で飛距離の出る球が打てます。上級者も自分がクラブを扱っている、使いこなしているという、味わいが持て、前のモデル以上に深みや奥行きを感じました。ヒール側とトウ側の高さのバランスが改善され、フェースの高さをしっかり感じて振れます。ロフト設定は番手からするとストロングロフトなのですが、いわゆる顏がすごくよく、高さがあるので凄くロフトが見やすい、という感じを持ちました。
egg SPOON/FW、egg i+ UT、egg IRONの各クラブを使いこなすには、しっかり打ち込み、ボールを最下点でとらえることが重要です。
目に見えたバックソール側の面積よりも、実際使われているソールの面積が、小さくコンパクトになっているので、クラブの抜けは向上しています。ラフに入って沈んでいる状況でもしっかりとリーディングエッジをボールまで届かせることが肝要なのです。シャローにインパクトゾーンを長く平行に滑らせて振り抜こうとかっていうふうになると、アッパーブローになりがちで、逆にクラブのせっかくの機能というか設計の形に反した動きになってしまいます。しっかりとリーディングエッジを打ちつける。そういう気持ちで打てば自然にボールの高さにヘッドのフェース面の高さが合ってくれて、結構楽に打ち抜けるのです。
とてもいいボールですね。楽に飛ぶというか。飛ぶだけじゃなくて打球感がいいんですよ。ディスタンス系のような打ち味でボールは飛んでいくのですが、カバーがウレタンだけに、ロングショットで強く弾いて、飛ぶときのボールのフェースに食いつく感じみたいのが全然違います。上級者の方もボールコントロールができているという安心感が持てると思いますよ。タマゴ(egg)のパッケージも可愛いですね。
シャフトスペック | M-43 (S) | M-40 (SR) | M-37 (R) | M-35 (R2) | |||||
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ロフト角(°) | 9.5 | 10.5 | 9.5 | 10.5 | 11.5 | 10.5 | 11.5 | 10.5 | 11.5 |
体積(cm³) | 460 | ||||||||
フェースアングル(°) | ±0 | ||||||||
ライ角(°) | 59.0 | ||||||||
素材 | フェース:チタン(Ti-6Al-4V) ボディ:チタン(Ti-8Al-1V-1Mo) ウェイト:タングステン合金(Ni、W、Fe) |
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製法 | フェース:圧延 ボディ:真空精密鋳造 ウェイト:粉末冶金 |
番手 | 3W | 5W | 7W | |
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ロフト角(°) | 15.0 | 16.5 | 18.0 | 21.0 |
体積(cm³) | 138 | 138 | 141 | 123 |
フェースアングル(°) | -1.0 | -1.0 | -2.0 | -3.0 |
ライ角(°) | 60.0 | 60.0 | 60.5 | 61.0 |
素材 | フェース:マレージング鋼(475板材) ボディ:ステンレス(SUS630) ソール:タングステン合金(Ni、W、Fe) |
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製法 | フェース:圧延 ボディ:精密鋳造 ソール:精密鋳造 |
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シャフトバリエーション | M-43 (S)、M-40 (SR)、M-37 (R)、M-35 (R2) |
番手 | 3UT | 4UT | 5UT | 6UT |
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ロフト角(°) | 19.0 | 21.0 | 23.0 | 25.0 |
体積(cm³) | 65 | 66 | 67 | 67 |
フェースアングル(°) | -1.0 | |||
ライ角(°) | 60.5 | 61.0 | 61.5 | 62.0 |
素材 | フェース:マレージング鋼(Custom455) ボディ:マレージング鋼(Custom450) ウェイト:タングステン合金(Ni、W、Fe) |
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製法 | フェース:圧延 ボディ:精密鋳造 ウェイト:粉末冶金 |
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シャフトバリエーション | M-43 (S)、M-40 (SR)、M-37 (R)、M-35 (R2)、フジクラMCH 60 (S) |
シャフトスペック | #5 | #6 | #7 | #8 | #9 | #PW | #AW | #AS | #SW |
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ロフト角(°) | 22 | 24 | 27 | 31 | 35 | 40 | 45 | 51 | 56 |
ライ角(°) | 61 | 61.5 | 62 | 62.5 | 63 | 63.5 | 64 | 64.5 | 64.5 |
フェースプログレッション(mm) | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 3.0 | 3.0 | 3.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
素材 | ボディ:マレージング鋼(Custom450) ウェイト:タングステン合金(Ni、W、Fe) |
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製法 | ボディ:精密鋳造 ウェイト:粉末冶金 |
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シャフトバリエーション | M-43 (S)、M-40 (SR)、M-37 (R)、M-35 (R2)、フジクラMCI 60 (R) |