原江里菜私は捨てられない女 …だから試合も休めないんです！ 2008年国内女子ツアー開幕！月間特集3月号／ゴルフダイジェスト・オンライン

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原江里菜私は捨てられない女 …だから試合も休めないんです！

東北高校1年生時に、2学年先輩の宮里藍がプロのトーナメントで優勝を果たし衝撃を受ける。そして、自身もナショナルチームのメンバーに入り、2005年は「日本ジュニア」で初優勝を果たし海外での試合も経験。高校卒業後すぐにはプロへの道に向かわず、東北福祉大学へ進学。その年のLPGAクオリファイを通過し2007年より女子大生プロゴルファーとしてデビューを果たした。ツアーデビュー2戦目となる「ライフカードレディスゴルフトーナメント」で単独2位に入り注目を集めた。その後も2位が1回に3位が2回、優勝こそ無いが着実に結果を残し、難なく初シードを掴んだ。次なる目標は「初優勝」。自身の飛躍に向けた意気込みを、雪が舞う練習場で熱く語ってもらった。

撮影取材協力：北谷津ゴルフガーデン

原江里菜出来すぎだった部分と、もっとやれた部分とどっちもあったかなと思います。アマチュアの時は試合数が少なかったので、1つの試合に照準を絞って準備をする時間もありましたし、気持ちも序々に高めて臨めました。でも、プロのツアーは連戦なので目の前の試合に対してモチベーションを上げきれない状態で入ってしまったり。とりあえずラウンドしようとか思ってしまうことがありました。

8月ぐらいに苦しい時期があって「試合に出たくないな」とも思ってしまったんですよね。後から思えば、なんで出たくないと思いながら試合に出てしまったんだろうと反省しています。今はこんなに試合に出たいのに、あの時は休むのがもったいないとか考えていましたね。

そうですね。前半戦無理して試合に出ていたので、いつもだったら8月はすごく調子のよい時期なのですが、気持ちで負けていた面がそのままプレーにも出てしまっていたので。
学生のときは、8月に試合が多いので、それに向けて6月の日本女子アマくらいから、どんどん自分の中でモチベーションを上げていっていたのですが･･･そういう暇もなく、自分の好きな時期を迎えて、本来力を出せるはずの時期に成績を残せなかったので悩んでしまいました。周囲の同世代の選手の活躍とかを気にするよりは、悩みだしたら、いつになったらこの苦しい状況から抜け出せるのだろうか、という気持ちが強くて･･･。

今年も基本的に出られる試合は全部出るつもりです。あとは体と相談しながらというか、無理はしないで、シーズン最後まで同じペース、同じモチベーションを保っていけるようにしたいです。そして今年は絶対に優勝したいと思っています。それが1勝に限ったことではなくて、早く優勝して、その1勝が通過点というか、次の優勝につながるような1勝にしたいです。

原江里菜一応トレーナーさんについて見てもらっています。それで、先月はプロ野球選手の方々と合同トレーニングもやらせていただきましたし、きついトレーニングをやり遂げたことで、メンタル的にも自信がついきました。昨年はツアーがどんなものかもわからず、手探り状態でした。でも今年は1年間戦ってきて、今年も目標をしっかりと持った上でトレーニングに入れています。野球選手とのトレーニングはとても刺激になりました。もちろん、ほかのゴルファーもたくさんいたのですが、みんなでやっているので、サボりたいなという気持ちになっても、負けたくないし、手も抜けないし・・・。その気持ちが保てたので2週間乗り切ることができたと思います。

自分が優勝したときのことをイメージするんですよ。走っていて苦しくなったりすると、優勝スピーチのこととかを想像して、その目標に向かって辛い練習も絶えられるように妄想しています。でも、優勝なんてしたことがないので、ネタも尽きてくるんですよね（笑）。そうなると再び苦しさが出てくるので、また違う何かを探します。

原江里菜私、家というか地元にいるとゴルフはしないんですよ。親がゴルフをしないし、高校から地方に行ってしまったので、地元の友達というのが少ないんです。地元ではたまに一人で映画を見に行くぐらいで、あとは家にいます。買い物もするんですが、凄く慎重なんです。お店で良いなと思っても、一度家に帰って、次の日に同じものを見て、同じ気持ちだったら買うんです。あと、物が捨てられなくて･･･。お母さんには、部屋が汚いとか言われるし、たまに家に帰ると、まだ着られる服なのに勝手に捨てられていたりするんですよね。人からいただいたものも捨てられなくて、キャディバッグについているキャラクターグッズとか、色が変わっちゃっても気に入っているのでつけています。もったいないという気持ちが強いので、試合も休めないのかな。

かなり頑固です！たぶんゴルフに生かされていると思いますよ。スイングとかで人に指摘されても1回では受け入れられないんです。言われるだけではだめで、自分で確認して認識してはじめて「なるほど」と思うんです。いままで、同じコーチに長い間見てもらうという経験がないんです。でも、コーチと関係性で一番は、その人の言うことを100％信じきれるかどうかだと思います。信頼と尊敬の気持ちがないと私自信が信じきれなくなってしまうと思います。

原江里菜中学校までは坂田塾でゴルフ場の支配人さんに、100％信頼して教わっていましたし。高校のときは（宮里）藍先輩のお父さんに見てもらっていましたが、頻繁にというのは無理だったので、自然と仲間うちで指摘しあったり、教えあったりしていました。それが自然だったんですよね。（有村）知恵ちゃんにも教わるし、（佐藤のぞみ）のぞにも教わるし。後輩にはちょっと恥ずかしいので聞けないですが、見て、あんな感じかなどと思ったり。仲間がコーチだったんです。今後は専属のコーチが必要になってくるかもしれないけど、自分のフィーリングを大事にしたいので、私のこの感覚を理解してアドバイスしてくれる人じゃないと、受け入れられないと思います。

開幕戦はもちろん頑張りたいけど、オフにやってきたことが、どのくらい効果があったのかなども確認しながら試合に入っていきたい。今年のオフに自分がやりたかったのがトレーニングだったので、海外の試合にでて実践モードでの調整を行うことは考えていませんでした。昨年と違って、今年はプロアマに出る機会が多くなると思うので、練習時間も少なくなるしスケジュールも忙しくなると思います。そのためにもこのオフで体力をしっかりとつけたいんですよね。具体的にこの試合に勝負！というのはないですが、昨年2位に入った「ライフカード」では頑張りたい！前半戦のうちに優勝したいですね。