広大な緑のゴルフコースがあることは同じでも、
高原リゾートと都市型ゴルフ場では雰囲気は大きく異なり、
クラブハウスのコンセプトもまた違ってくる。
標高120mの高台から大阪平野が見渡せる。南西に景観が開けて、大阪の中心街のビル群や遠く六甲山も望める。そんな立地を生かすべく設計されたハウスである。
「都市型のゴルフ場として、外観は一見無機質なイメージがありますが、内部は自然の木や石を使って温もりを感じさせてくれます。また構造的には、2階レストランからの眺望を重視したデザインになっています」(支配人・福田朋久氏)
クラブハウスは平面形状のL字型で、表玄関側はフロント・ロビーにショップ、括れた側にロッカーや浴室と、はっきりと分かれている。ロビーは小さく、フロント横にスタートテラスの出入口があるのも特徴的だ。基本的に、フロントでハウスへの出入りはすべてチェックできることになる。無駄のない造りだ。
また、2階はロッカー・浴室の上に従業員控え室などのバックヤードを集めており、フロント・ロビー側の上だけが、来場客用のスペースとなる。フロントヤードとバックヤードを整理することで、来場客の動線は極めてシンプルである。
そして、このハウスの最大の特長である2階は、単にレストランだけでなく、その横にある広いテラス、さらにパーテーションで4室に仕切られるコンペルームと、ラウンジ以外のすべての利用スペースで景観が楽しめる。開放感は抜群だ。
「都会の街並が一望できるというのは、ゴルフ場のクラブハウスでは珍しいことだと思います。レストランはどうしても窓側の席から埋まってしまいます」(福田支配人)
なお、大きな窓のため西日なども懸念されるが、庇を長く突き出しており、直射日光はあまり当たらないという。眺望を重視するうえでの細かな配慮も施されている。
今回、ご紹介したクラブハウスは…
「クラブハウス探訪」はゴルフ場経営の専門誌「ゴルフ場セミナー」に掲載中。