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「俱楽部」に歴史あり

 同好の士が集まり結成される組織を指す『倶楽部』は、14世紀のロンドンに誕生した、いわゆるタウン倶楽部がその先駆とされている。意外なことに、この時まで明確な定義付けはされておらず、辞書に『Club(人の集まりや会合)』という単語が登場するのは、さらに時を経た17世紀になってからのことである。

 タウン倶楽部は、文化人や知識人等がフリースピーチを楽しむ場であったが(実際、それを目当てにしたコーヒーハウスが人の集まりそうな場所に急増した)、1744年、いよいよ最初のゴルフ倶楽部が結成される。The Honourable Company of Edinburgh Golfersである。セントアンドリュースよりも10年古い歴史を誇るこの倶楽部は、スコットランドのリースで結成され、のちにマッセルバラにある9ホールのパブリックコースを使用するようになった。その時、すでに6回の全英オープン開催歴があったが、1891年にプライベートコースを備えたミュアフィールドに移転、翌年の全英オープンを初の72ホール競技(2日間)として開催している。

 初期の倶楽部は、総じて男性のみの集まりだった。女性の〝進出〟は19世紀以降のことで、67年に60人の女性で結成されたセントアンドリュース・レディスGCが初の女性によるゴルフ倶楽部とされている。スコットランド女王・メアリーが史上初の女性ゴルファーとなってから、およそ300年後のことである。

 だが、発展のスピードは早く、84年には英国内に19の女性倶楽部がすでに存在していた。その波は米国にも押し寄せ、94年にモーリスタウンカントリーGCが誕生。そこは450人の会員はもちろん、キャディの少年を除く従業員も皆、女性という倶楽部だった。

(本誌2009年1月号からの転載)

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