ファイナルQTでは、「初日と最終日の前は、全然ご飯が食べられなかった」ほど緊張したそうだが、パープレーで回ろうと決めた最終日に、その言葉通りのプレーが出来た。今年のツアー参戦に大きな手応えを掴んだかに思えたが、「QTは一週間、トーナメントは毎週。全く別物です」と、浮かれた様子はない。
「シードを獲って優勝もしたい」という今年、一番の不安はフル参戦する為の体力だ。このオフは、1日2時間の筋力トレーニングを欠かしていないが、それでも「すぐに腰が痛くなる」という体の弱さは、完全には克服出来ていない。大好きなお酒も最近は控え気味だという辻村は、「今年もあまり飲みませんよ!」と、気を引き締める。
「一年間、どんなに疲れていても、自分がやると決めた事は必ずやる」。海外に挑戦する宮里や上田と同じ憧れは持っているが、それにはまず国内で結果を残してから。内に秘めた野望は、時が来るまでは見えない原動力として辻村を突き動かす。
シーズン序盤は因縁のダイキンオーキッド、そしてホステスプロとなるPRGRカップと重要な試合が続く。「“この試合”ってピークを決めるのは怖いです。体調や調子も色々だから、波を作らないようにやっていきたい」と言うが、『QTは狙って出来たんだから、開幕戦も狙ってみれば?』と挑発すると、「そうですね。じゃあ狙っちゃおうかな」・・・。やはり熱い思いが顔を覗かせた。
170cmという長身とモデルのような顔立ちで、観るものを惹きつける一方、話せば意外と人懐こい。そんなギャップも辻村の魅力だ。彼女の歩む「道」がこの先どこに繋がっていくのか?それは、本人すら思いも寄らない場所なのかも知れない。