マッチプレーは、目の前の対戦相手と繰り広げるゴルフの真剣勝負だ。4日間72ホール(男子の場合)の通算スコアで争うストロークプレーとは異なり、マッチプレーは1ホールごとに対戦相手とストローク数で勝敗を競い、それを積み上げる。バーディもボギーもなく、存在するのは、取るか?取られるか?だけ。たとえパー4であっても、相手が6打を打てば、3打で上がろうが5打で上がろうがそのホールを奪うことになり「1UP」となる。奪われた側から見れば「1DOWN」。これを18ホールで争うため、最短だと9ホールを連続で奪い、10ホール目を奪われなければ相手が逆転不能となって決着がつく。18番グリーンで待っていても、全組がそこでプレーするとは限らないので、最初の観戦ポイントは“前半9ホール”に置く注意が必要だ。この場合でいう10番、勝負の決まる可能性があるホールは「ドーミーホール」と呼ぶ。追い込まれたDOWN側は、10番から18番まで取り返し続けて引き分けの状況「オールスクエア(A/S)」に戻し、サドンデスの延長戦に持ち込むしかない。そんな試合形式のマッチプレーは、選手同士の“駆け引き”に注目して観戦したい。相手のボールをコンシード(次打でカップインとみなす、いわゆる「OK」)することができるため、カップまで50センチ程度の距離、場合によっては1メートル以上あってもコンシードすることがある。相手の好プレーへの敬意という側面もあるが、あえて短いパットを打たせないようにし、大事な局面では打たせるなど戦略としても有効だ。また、ホールごとの勝敗積み上げなので、大胆にリスクを負った「勝負の1打」で相手の心を波立たせる決断もあり得る。選手の頭の中を想像し、「マッチプレーこそゴルフの原点」とされる理由を堪能してほしい。
アップUP | 対戦中のスコアの表示法であり、対戦相手に対し1ホールリードしていれば1UPという |
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ダウンDOWN | 上記とは逆に対戦相手に対し、1ホール負けていれば、1DOWNという |
ハーフHALVED | 引き分けのホールのスコアのこと |
オールスクエアALL SQUARE | ホール毎の勝敗が同点の状態 |
ドーミーホールDORMIE HOLE | そのホールを勝つか、分ければ 勝敗が決するホールのことを ドーミーホールと呼ぶ |
コンシードCONCEDE | 相手に対して 次のパットを OK すること |
お先パットの再プレー要求 | ホールに近い人が先にショットをしてしまった場合、その対戦相手に対して そのショットを無効とし 自分の後にもう一度プレーをし直す要求ができる。 |
誤報 | ホールの途中で 対戦相手から現在のストローク数を聞かれた場合に 誤ったストローク数を報告 (誤報) し、それを対戦相手が次のショットを打つ前までに訂正しなかった場合は そのホールは負けとなる。 |
パット練習 | ホールアウトした直後、グリーン上でプレーを遅らせない範囲でパット練習が可能。ストロークプレーでは基本的にルール違反となる。 |